子鬼「でべそのひも」
掲載日:2026/09/02
雨降りの日。
お父さんは、
今日もお仕事に行きました。
子鬼はお母さんと
おうちでお留守番。
今日はお外にも
遊びに行けません。
「つまんないよう」
子鬼はほっぺを膨らませて、
駄々をこねます。
「じゃあねぇ・・・」
お母さんが楽しそうに言いました。
「おうちの中で探検ごっこしようか」
うん!探検ごっこ!する!
お母さんと一緒に
台所で、ゴソゴソ。
お風呂で、ゴソゴソ。
トイレで、ゴソゴソ。
ついでにちょっと、
おしっこもしました。
押入れの前で、
お母さんが得意気に言いました。
「ここは面白いわよ」
押入れを、ゴソゴソ。
「これ、なぁんだ」
お母さんが小さな木箱を見せました。
「なぁに?」
「じゃーん、子鬼ちゃんのへその緒でーす」
パカッと箱を開くと、
干からびた変な紐が入っていました。
「なにこれ、気持ち悪いよう」
「これがね、お母さんのお腹の中で
子鬼ちゃんとお母さんをつないでいたのよ
お母さんの宝物」
そう言って、
お母さんは優しく箱を撫でました。
「ふうん」
ほんとはよくわからなかったけど、
へそって言ってたから
僕のでべそは
ここから生まれてきたのかなぁ。
でべそのひも、だ。




