パープルピーポー
狭い世界でエキサイティングしている
花瓶が嗤った
写真立ても嗤った
トイレットペーパーも布巾も
食器も洗剤も洗濯機も
床に垂れ下がるカーテンも嗤った
みんなが僕を嗤っているのに
僕は僕自身を嗤えない
静謐な泉が汲めども汲めども尽きないように
僕は僕自身を嗤えない
深夜コンビニの前で揚げたてのハッシュドポテトを食べる
7丁目で強盗があったらしい
そう言って大学生たちが横切っていく
部屋に居るサボテンと秘密の作戦会議をした
レディー・ガガのアブラカタブラ流して踊っている
窓辺の小鳥もガードレールも
信号機も横断歩道も
並木通りも陸橋も
みんな僕を嗤っている
それでも
それでも
僕は僕自身を嗤えない
狭い世界でエキサイティングしている




