対概念
「カコ:ふぅ…コトリバコ、全回収完了」
「ミライ:リンフォンも13個全部拾ったよ〜」
念の為、別々の部屋に置く。だけど…「あっ!?」
リンフォンの1つが独りでに転がって、転がって…ハッカイのコトリバコに、こつりと当たった。
直後。顕現したのは膨れ上がる怨嗟。ここから出せ、どうして私たちがこんな目に、お前達も道連れにしてやる。そんな声が聞こえる度に、首筋にヒヤリとした何かが当たる。
「カコ:っ…アノマリー・クロス…!部屋が近かったか…!」
アノマリー・クロス。スタンピードと同じくらい怖れられている災害。
怪異の中にはよく、何かに“干渉”する能力を持つモノが出てくる。それらが相互に干渉しあったらどうなるか?無力化される事も無くはないが、多くの場合は、こうなる。
「緊急!緊急!こちらカコ、コトリバコとリンフォンのクロスが発生!」
『こちらくろのす。2人の視点借りて見てるけど…対概念使えば行けそうじゃない?』
対概念。くろ姉にも使えない、ボクとミライだけの異能。世界のバランスが一時的に崩れかねないから、あまり多用できない。
「…本気?大丈夫なの?」
『多少乱れてもすぐ直るし、直らなくてもそれが新たな“正常”にいずれなるから。あんま気にしなくていいよ』
「…分かった。行くよ、ミライ」
「オッケー」
「「対概念」」
最初は…コトリバコから片付けよう。無秩序性は厄介だからね。
「陰」「陽」
陰陽の概念を使用。ターゲットを軸中心として、ボクとミライの動きが点対称になるように同期される。
一撃入れる度に、主導権が切り替わる。斬る、撃つ、斬る、撃つ。段々とそのサイクルが速くなる。そして、完全にタイミングが一致すると…
「「Yin-Yang!!」いでっ」
強烈な衝撃波が起こり、ミライは上に打ち上げられ、ボクは下に叩き付けられる。さて、無力化出来なければもう一度だけど…良かった、コトリバコ浄化完了。次はリンフォンだ。
「クリファ」「…セフィラ」
死と生命の概念に切り替える。因みにコレ、クリファの力を使うボクが消されかねないから、ミライはあまり乗り気じゃない。
セフィラの力で仮初の生命を与える(この時点で本来の権能から外れている)。そしてクリファの力で確実に葬る。
「…糠喜びさせてごめん。安らかに眠れ」
『2人ともお疲れ様。2人の近くに陰陽魚が顕現したっぽいから大切に飼いなよ〜』
「うん、ありがと…ふぇ、疲れた。陰、運んでくれる?」
「陽、連れてって〜…もう動けない…」




