黒曜石
「くろのす:…ふぅ。この子はこんな感じかな」
磨き終えた石を、作業台の奥の方に置く。
『宝石・鉱石売り“オブシディアン”』。私が持っている店だ。
名前の通り石を扱う他、オーダーメイド限定で武器や道具の制作も引き受ける。身内の大抵の装備は私が作っている。例えば、エリ・ミオ・ヒナの3人の武器とか。
ガリガリ…
…折角だし、ちょっとネタに走るか。
宝石売りの朝は早い。
精神がJKでありババアなので矢鱈と早く目が覚める。特にやる事も無い時は作業台に向かい、石をひたすら磨く。
この時、どんな石でも良い訳では無い。磨かない方が良い気がする石というのも存在する。尤も、違いは職人にすら分からず、何となくの感覚で判断している。
石を磨くのは武器道具の製作依頼が入っていない時のみ。依頼が入っている時は依頼の方を優先する。その時は探索者の仕事を休み、数日間工房に籠もりっきりになる。
ゴシゴシ…
「…この子はこんな感じでいいかな」
ちょっとだけメタい話にはなるけど。
ようやく、『日常』を見せられそう。




