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猫耳少女、或いは、ばけものたちの、日常と非日常。  作者: 猫じゃらし/大鋸屑
18時、毒にも薬にもなる。

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手術

「ウメ:…怪我の処理は完璧だねぇ。文句無しに百点満点出せるよ」

「フワワ:で この子を また 歩けるように して欲しい と?」

「飼い主:はい…」


 相棒の怪異(猫又)が、戦闘で下半身に大怪我を負ったらしい。タイミングが戦闘終了直前だった事や、割と近場だった事などから、直ぐに来たようだ。はっきり言って、賢明な判断だったと思う。


「ウメ:そんな悲しい顔しちゃ良くないよ、この子も釣られちゃうから。再生が見込めない骨は取り除いてチタンを入れる、筋肉組織修復はこの子の自己回復能力に任せようかね」

「飼い主:…また、前みたいに歩けるまで、どれくらい掛かりますか?」

「ウメ:数ヶ月は見といてくれ。筋肉組織修復にiPS使えば短縮できるが、金額が時間に見合わない」


 大体の試算額を示せば、相手は絶句していた。


「ウメ:まぁ、それでも早く、この子が元気に動き回る姿を見たいなら…」

「飼い主:…いえ、数ヶ月もすれば、また見れるんですよね?」

「ウメ:あぁ、見れるよ」

「飼い主:なら、待ちます」

「ウメ:…そうかい」






 手術が始まった。

 レントゲンを基に、駄目になった骨を取り除いていく。取り除いた部分に、チタン製の人工骨を入れていき、靭帯と腱を繋いでいく。


 此処で1つ、世界の医者様達に謝らなければならない事がある。あたしの手術では少しズルをしている。

 あたしとさくらは“生命操作”が行える。あたしはこれを利用し、手術中の患者への負担を滅茶苦茶に減らしている。手術中にショック死するのを防ぐ為だ。

 お陰で、あたしの手術成功率は今のところ100%だ…けど、あたしはこれが正義だと思いたくない。だって、これは、先人の努力を踏み躙る行為だから。

 アスクレピオスの目指した医術は、こんな理から外れたものではない―――この自戒の言葉は、忘れないようにしている。

 …でも。倫理と道徳で救えない生命(いのち)だってある。そうやって、いつも自分に言い訳する。

 自戒も意味を成していない、と言われれば何も言い返せない。もう何とでも言ってくれ。

 結局、あたしは、患者がまた笑顔になれるなら、それでいいのさ。






 数ヶ月後。

「飼い主:本当に、ありがとうございます…!」

「ウメ:やれる事をやっただけさ」

「猫又:にゃー!」

「フワワ:元気でねー」

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