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猫耳少女、或いは、ばけものたちの、日常と非日常。  作者: 猫じゃらし/大鋸屑
16時、雷雨のち虹。

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職場

「…はい、時雨の修理しといたよ」

「製作者アンタ(くろのす)だったのか、知らなかった」

「そういえばユキ通して設計図もらったくらいしか関わり無かったね。あの子からある程度聞いてるよ、口は荒いけど根は優しい子だって」

「あいつにチョップ一発入れないとな。あいつ今どこ居る?」

「その前にやることあるんじゃない?」


 そうだった。今日カコと同じ職場で面接あるんだった。因みに本人から「呼び捨てにしてほしい」と言われているから、昨日から呼び捨てにしている。






「…君がアメ君か」


 只今、面接中。顔すげぇ怖ぇ、圧迫面接か?


「ああ。…じゃなくて、はい」

「普段使っている口調で構わないよ」

「…こんな感じの荒い口調だが、いいのか?」

「カコやミライも私にはタメ口だ、気にする必要は無い」

「…じゃあいいか」


 前言撤回。


「うむ。とりあえず軽く面接を行っていくが…あの2人が連れてきた人材だから、大して心配してない。仕事で気になることはあるか?」


 ガバだろこんなん。ってか逆に期待で圧迫されるが?やっぱり圧迫面接だったわ。


「いや、無い。事前に渡された書類で十分理解できた」

「そうか。アメの得物は?」

「このアンカーショット。移動手段にしたり、瓦礫や人間を振り回したり」

「…うむ、申し分ない。合格だ」

「ガバだろこんなん。…おっと」


 しまった、つい口に出てしまった。指何本で済むかな。


「…ハッハッハッ!たしかにガバかもな。だが、ちゃんと君の人となりを見ての判断だから、安心したまえ」


 …そっか。なら、いいか。


「そうだ、最近カコを見ないんだが、何してるんだ?」

「あぁ…無茶した罰として、完治するまでベッドに縛り付けられてる」

「…なるほど…まぁいいや、暫くあいつが必要な仕事無いし、あいつすぐ無茶するし」


 どうでもいいが、カコは組織内ではミライと共にかなり上位に居る…ってか実質的地位はこいつ(雇い主)のひとつ下らしい。そいつらとオレを同列に語られてもなぁ…あとそいつらが2番目で大丈夫か?


「そうだ、実技試験のようなものは無いのか?」

「1発目の仕事で判断する。君の仕事は…とある組織のボスからの依頼だ。暴走してた幹部共が何者かに潰されたらしい、それの調査を、とのことだ」

「成る程。……あぁ…こいつらか……」

「どうした?」

「…これさ。自分がこいつらに追いかけ回されていたのを返り討ちにしたっつったら、どうなんの?小指で済む?それとも薬指?或いは切腹でも命じられる?」

「…ああ!そういう事か!安心しろ、そこのボスが暴走幹部を潰した奴に御礼を言いたいだけらしい」

「裏社会の御礼ほど怖いもの無ぇんだが」

「そこのボス、家族が暴走幹部に襲われたらしい。死人も欠損も後遺症も無いが、全員全治1ヶ月以上だそうだ」

「何も怖くなくなったわ。こないだよぞらとあかねから聞いたけど、ヤのつく自由業って家族思い多いの?」

「あぁ、依頼主その2人のとこの常連だぞ」

「あの人かよ…世間って狭いな。ってかあの人ボスだったのかよ」


 全然ボスっぽくない雰囲気だったが。


「ボスっぽくない雰囲気で悪かったな。テメェがうちの幹部に灸を据えてくれた奴か」

「いやこれ絶対に御礼参りの方でしょ!?」


 大丈夫落ち着け自分指詰めのシミュレーションなら脳内で何度も済ませたはずだ小指無くなった時の時雨の運用練習も何度もした今自分が怖がるべきものは痛み以外何も無いはずああいややっぱ怖い小指失いたくない

「裏切り者を成敗してくれてありがとよ。死んじまったのは惜しいが、彼奴等の自業自得だ。これ、うちの娘が気に入っているケーキ屋の一番人気のヤツだ、みんなで食ってくれ」


 ………

 ………え?


「…ありがたいけどコメントに困る。今必死に小指切り落とす覚悟決めてたんだけど。あ、このケーキ屋オレも知ってる。美味いよな、ここのケーキ」

「分かる。…にしてもアンタ、俺の従妹に似てるな、見た目が」

「あっ、だから襲われたのか」

「多分そういうことだ。すまなかったな…」

「…いや、全然大丈夫。娘さんたちの調子どう?」

「順調に治ってる」

「そ、良かった。ケーキはうちの家族と食うわ」

「ん、ありがとよ。じゃ、俺は帰るわ(ガチャッ)」

「こっちこそどうも。じゃ〜ね〜」

「…口調の割にはいい子だな」

「しばくぞ」

「なんで」

無事に就職できたらしい。

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