占い師
あかねを家に迎えて一週間。あ、今回は僕主観だよ。
「よぞら、水晶玉って本当に占いに使うんだね」
「あー、実際は使わないよ」
「え、じゃあ何のために」
「雰囲気作り」
「雰囲気」
あかねには店の手伝いをさせている。小物が多すぎて自分ひとりだと一日で掃除し切れなかったから、すごく助かってる。
「実は人によって変えてるんだよね」
「水晶玉を?」
「いや、今水晶玉が乗っている場所に置くもの」
「例えば?」
「何処かの民族の伝統文化を受け継ぐ人なら、その文化式の占い道具にしたり」
「ほうほう」
「IT企業に所属する人だったら両面キーボードを使ったり」
「…ん?それ何ていうGb○ard…」
「公式からして『占いにも最適』って言ってるから、とりあえず作ってある。実際、ウケはいいよ」
「ウケ…」
占い師の仕事は、暇だったりそうでなかったり。
感染症の大流行とか、怪異大量発生とか、そういう時によく稼げる。要するに稼げない方が平穏って事。
「…ん、よぞら、お客さん来たよ。すごい強面の」
「ん、いらっしゃい。誰の何を占ってほしい?」
「娘の病気が治らねぇんだ…もう心配で心配で…」
「え、ヤのつく自由業かと思ったら何かただのいい人っぽい」
「あぁ、職業はヤクザで間違いない」
「合ってた…」
「んーと、どれどれ…人脈検索…血縁…ん、娘さんのそれ、呪いかもしれないね…ってか呪いっぽい」
「なんじゃそりゃ…でも呪いなら医者がお手上げしたことの説明がつくな、その医者頑なに呪いの存在を認めない人だし」
「何その馬鹿…呪いなんて魔法学で割と初期に証明されて、今では発展分岐で呪術学なんてのもできてるくらいなのに」
「解説ありがと、あかね。解析と解呪なら僕ができるから、連れてきてくれる?無理なら娘さんのとこ行くけど」
「え、あ、いいのか?お代とかは…」
「占い費用と呪い鑑定で二千五百円+治療費」
「安っ!?それホントに儲かってんのか!?」
「パンデミックの時にボロ儲けできちゃったから、金はそこそこあるんだ」
「ひでぇ話だな…本当に二千五百円でいいんだな」
「うん」
「…分かった。明日連れて来るのでいいか?」
「今連れて来るのを推奨するよ。様態が急変する可能性が無くはないから」
「分かった」
「手伝い必要そうなら、うちも行くよ」
「おお、助かる。ところで嬢ちゃん、会うの初めてだよな。名前…は、あかねって言ったか。よろしく」
「ん、よろしくね」
欲しいけど作りたいとは思わないんだよな、両面バージョン。
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『珍しいですね。何を調べるんですか?』




