月下
ふと目が覚める。
時間は…真夜中。何人かはまだ起きてるだろう。
再び眠りに就こうとしたが、寝付けない。しょうがないから、ベッドから起き上がる。
「…んぅ」
ずっと寝てたから、身体が固まってる。コキコキと音を鳴らして、身体を無理矢理ほぐす。
少し夜風に当たりたくなった。
大きめの窓を開けて、バルコニーに出る。初冬なので少し寒い。
「んっ、んううぅぅ」
軽く伸びをする。気持ちいい。
「…くろのす?」
さっきまで隣で寝ていたあいが、起きたようだ。寒さで起こしてしまったらしい。
「なに、してるの…?」
「急に目が覚めちゃって。ちょっと夜風に当たってたとこ」
「…ほんとうに?」
…これは、誤解を生んでる感じかな。
「別に飛び降りたりはしないよ。したところで死ねないし、しようと思うほど酷い状態でもないし」
「…そっか」
あいもバルコニーに出てくる。薄桃色の綺麗な髪を、月明かりが照らす。
自惚れかもしれないけど、あいの目にも今の私は同じように映っていることだろう。
「…また皆に救けられちゃったな」
「なんどでもたすけるよ」
「お返しが大変になっちゃうよ」
「ありがとうだけで、じゅうぶん」
…やっぱり、あいには勝てない。
「…月が綺麗ですね」
敢えて敬語にしてみたその言葉には、字面以外の意味を含めて。
「…」
しかし返答は来ない。
と思ったら。
「ゎぷ」
「つきなんかにみとれないで。わたしだけをみて」
「…ふふっ」
なぁんだ、そういう事か。
「綺麗だよ、あい」
「…ん、くろのすもきれい」
月明りの下、互いの唇の柔らかさを再確認した。
「お〜お〜、イチャイチャしてんねぇ〜」
「「!!??」」
さくらに見られてた。めっちゃ恥ずいんだけど!?




