日常。
はじまるよ。
「昨日の〜〜見た?」「見た見た!面白かったよね!くろっちは見た?」
「…あー、ごめん。そん時は刻の手入れしててラジオだったわ。録画はしてるから今日の夜にでも見るよ」
「おっけー!」「絶対見て。マジで面白いから」「とりあえず猫耳モフっていい?」
変わらない毎日。
「そいえば、妹ちゃんたち最近どう?」
「裏社会組織ひとつ潰してたよ」
「元気だねぇ〜」「それうちの叔父んとこかも。親は狂喜乱舞してたよ」「えぇ…」
不自由ない程度には稼いで、友達とこんなふうに喋って。
「そだ、くろっち。武器手入れってできる?金は払うからさ」
「いーよー。槍だよね?友達価格で1500円からね」
「あんがとね」「打ち直しっていくら?うちのナイフ、刃毀れ酷くなってきて…」
「打ち直しは1万からだね」
「ありがと。小遣いの半分で打ち直せるって、くろっちの友達権限って凄いね…」
たまに理不尽が襲い掛かるけど、みんなで退けたり、打ち破ったり。
「…ん、緊急怪異警報。獣と…げっ、蠱毒持ちの虫」
「マジで!?」「よぞらちゃんとユキちゃんのそれ凄いよね。一般にも回せばいいのに」「ごちゃごちゃ言ってないで、ほら準備!解毒と解呪用意!」
いつからか、どっかが壊れ、狂い始めた世界。
これは、そんな世界で日常を営む、少女たちの御噺。
逃げないために。
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Special Thanks:この話を書く切っ掛けを作ってくれた御紡 飛燕さん