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第五話 哀れな老人

「何卒、何卒お許しをっ」

 茶色の衣類は、着物と言うにはあまりにも綻び、髪はほつれ、体も汚れで浅黒い。そのうずくまるものが、人であることをすぐに理解できたものが、どれほどいるだろう。しかし、通りを挟んで、桜にはそれがはっきりと、年老いた乞食であることが分かった。何故なら、香子に拾われる前、自分も同じような格好をしていたからだ。

「やかましい! 乞食風情が。われらの通り道をふさいでおいて、許しを請うなど笑止千万っ」

「卑しき身分の者が、我ら高貴を愚弄したも同じと知れ!」

「おうよっ、」

 若い貴族の男たちは口々に叫び、乞食の老人をまるで石ころか何かのようにを足蹴にした。老人は怯え、眼を伏せる。呻きとも似つかぬ、悲痛の声を上げながら、ただ嵐が過ぎていくのを待っているかのようだった。

 ここは、都で最も人通りの多い往来の真ん中。誰の目にもその光景が映っているにもかかわらず、道行く誰もが皆、見て見ぬ振りを決め込んで通り過ぎていく。とばっちりはごめんだ、と顔に書いてあるようだ。

「うん? 待て、こやつ……もしや元、民部(みんぶ)文屋(ふんや)卿ではあるまいか」

 若者の一人が、うずくまる老人を指差して言った。このみすぼらしい男が、と他の者たちは皆小首をかしげる。確かに、覇気のない皺と垢だらけの顔からは、とても卿の威厳は感じられない。

「間違いない。俺は、父上と一緒に参内したときに、一度だけ見たことがある。こやつは、右大臣さまに立てついて、爵位を剥奪された愚か者の、民部卿だ」

「ならば、こやつは奸臣。ここで、斬って捨てたとしても、何の問題もあるまい。丁度、腰刀を新調したばかりで、試し切りをしたかった」

 と、若者の中でも、一際体格のいい男が、口元に悪鬼のような笑みを浮かべて、腰に帯びた太刀を鞘から抜いた。さぞ名のある刀匠の作なのだろう。それは人の命を絶つにはもったいないほど、美しく輝いていた。

「未練がましく、都の大路をうろついていたのが、運の尽き。そう思え!」

 しかし、刀は飾りである前に、武器。人を殺めるために作られたものなのだ。まさに、その宿命を全うするかのように、ギラついた刃が老人の頭上へと振り下ろされた。もはや、乞食に身を落としたこの老人を守ってくれるようなものは、誰もいない。そう思われた時、若者たちの背後で「やめてください!!」と一声、通りの反対側から響き渡った。あと一寸もないというところで、老人を狙った刃は、ぴたりと止まる。

 声の主は他ならぬ、桜だった。普段は、香子譲りの穏やかな顔に、いつにない怒りをあらわにしていた。眉を吊り上げ、拳を握り締め、小さく肩を震わせる。

「ちょっと、桜っ。危ないわよ!」

 椿の制止も聞かずに、桜は大路を横断すると、つかつかと若者の前に歩み出た。若者たちは、思わぬ少女の登場にどよめきながらも、桜をギロリと睨み付ける。

「何だ、貴様。邪魔立てすれば、お前も同罪だぞ」

「何の罪でしょう? 都でもっとも大きなこの大路で、その方があなたさまの道を塞いだというのは、いささか子どもじみた言いがかりじゃないでしょうか? 往来で、大の男が雁首そろえて、ご老人をいたぶっている姿は、愚にもつきません!」

 頭ひとつ分大きな男たちに対して、桜は臆することなく言い放った。凛としたその顔は、香子のそれに瓜二つだった。しかし、娘に言い放たれては、男たちも黙ってはいない。「何を!」と、老人に向けられていた刃が、今度は桜のほうに向けられた。

「やめなってば! 桜っ!!」

 はらはらと通りの向こうで桜の背を見守っていた、椿が慌てて駆け寄ってきて、桜の袖を引っ張る。次いで、茜も、少しばかり青ざめた顔をしながら、

「申し訳ありません!」

 と、若者たちに頭を下げた。だが、桜は一向に引く気配を見せず、尚も男たちに食って掛かろうとする。言い知れぬ怒り。頭の先まで血が上り、後先なんか考えられない。乞食の老人を哀れに思ったから? いや、それだけではなくて、若者たちのいわれのない言い草が、気に食わないのだ。

「なんだ、お前たち、近衛の娘か」

 若者の一人が言った。少女たちには似合わない、揃いの水干姿を見れば、それを知るものならすぐに、ぴんと来る。

「俺は、右大臣さまの覚えめでたき、曽根(そね)少納言の嫡子ぞ。貴様、その俺に意見するとは、いい度胸だな」

「虎の威を狩る狐……。父君が、どれほどのご威光を持っておられるとしても、いわれのない罪で、あわれなご老人を殺めていいはずはありません!! しかも、この朱雀大路は、天皇陛下の住まわれる内裏へと通じる道。そのようなところで、人を殺めようとは、陛下に失礼というものです! あなたさまも、公家の端くれならば、分をわきまえなさい!」

「言わせておけば!」

 見る見るうちに、腰刀を持った若者の顔が真っ赤になっていく。どんなに恐ろしい形相をしても、右近の鬼のような顔に比べれば、大したことはないと桜は思った。

「陛下の名を軽々しく口にするとは、許せん。まして、この俺を馬鹿にするとは! 貴様から、斬ってやる。覚悟しろ!」

 若者がいきなり、桜の胸倉を掴む。体重の軽い桜は、その腕にひょいと持ち上げられてしまう。そして、鼻先に、太刀の真新しい切っ先が突きつけられた。

「桜を離せ!」

 唐突に、若者の足元で声がした。視線を落とすと、目にも留まらぬ速さでしゃがんだ茜が、左足を軸にして回し蹴りよろしく、若者を足払いする。見事に足元をすくわれた若者は、短く悲鳴を上げると、姿勢を崩して派手に尻餅をついた。

「おのれっ!!」

 尻の痛みをこらえながら、若者は硬く握った太刀を振りかざす。ところが次の瞬間、視界に椿の膝が現れ、あっという間に、眼前は暗闇に覆われた。

「女の子の胸倉を掴むなんて、最低! そんなんじゃ、素敵な殿方にはなれないわよ」

 椿が吐いて捨てるように、昏倒した若者に言いながら、その腕から解放された桜を助け起こした。残された、若者二人は、気を失った曽根少納言の息子など目もくれず、自らの腰刀に手をやると、桜たちを一斉に取り囲んだ。

「はっ!」と、掛け声。若者たちが抜刀する前に、桜は高く跳ね上がり、その顎めがけてつま先を叩き込む。と、同時に椿と茜も、若者たちを次々と一蹴していく。その素早さと切れは、目を見張るものがあった。

 鍛錬の賜物。右近の厳しい指導の下に、弓術や薙刀術ばかりでなく、実戦としての徒手空拳の技をも磨いてきた五巫司の少女たちにとって、日ごろの剣術鍛錬を怠っているような、若者たちは相手ではない。あれよあれよという間に、少女を囲んだ若者たちが次から次へと倒されていく光景は、それまで「係わり合いになりたくない」と、無関心を装っていた往来の人々の視線を釘付けにした。そして、最後の一人が、地面に顔をつけた瞬間に、いつの間にか集まった黒山の人だかりから、「おおーっ!!」という歓声が上がった。

 少女たちに伸されて、バツの悪い若者たちは「覚えていろ!」と、どこかで聞いたような科白を吐きながら、曽根少納言の息子を引きずって、一目散に退散していく。

「援けてくれて、ありがとう。椿、茜」

 逃げ行く若者たちを見送りながら、桜は心強い友に礼を述べた。すると、椿は少し呆れ顔をしながら、

「無茶しないでよ。冷や冷やしたんだからっ!」

 と、桜のことを睨み付けて、すぐに笑顔を見せる。

「いやあ、でもあたしたちの足技、ちゃんとあいつらに効いたね。ちょっと、足が痛いけど」

 茜は、若者を足払いした右足をさすった。それでも、顔はとても満足そうだ。桜は、二人に微笑み返すと、まだ地面にうずくまったままの、老人の傍に膝を折った。

「大丈夫ですか……?」

「おお、かたじけない、勇敢な娘さん」

 老人は、差し伸べられた桜の手をそっと握ると、ゆっくり起き上がった。その顔に、桜たちは見覚えがあった。直接面前に出たことは一度もないが、宮中で働く者同士、一度くらいは顔を見たことがある。

「民部卿さま!」

 と、声を上げたのは椿だった。その声を聞いた、老人は静かに首を左右に振った。

「その呼び名は、もはやわしのものではありませぬ。せめて、陛下のお近くにいたいと、このような身分に貶められても、都に残ったのが、わしの間違いでした……。いや、娘さん方には、この歯牙ない命をお助けいただき、言葉もありませぬ」

 桜たちの三倍以上も人生を歩み、民部卿という位にまで上った男が、少女たちに平身低頭する。その姿は、少女たちの目に、あまりにも哀れに映った。


「政変」とは何者かの政治的取引や軍事的行動によって引き起こされた、国家の政治体制の変動や事件を示す言葉である。

 事の起こりを説明するには、今一度、時間を九年前に戻さなければならない。丁度、六歳の桜が春に出会ったころ、宮中では水面下で、とある動きが活発化していた。無論、幼かった桜は、そんなことを知るはずもないし、知っていたとしても、子どもには到底分かりかねる(まつりごと)の世界だったに違いない。

 それはともかくとして、九年前、宮中は二つの勢力に別れていた。簡単に言えば、左大臣の派閥と、右大臣の派閥である。右大臣は、前述の通り、今上天皇の中宮のひとり、藤子の父である。即ち、右大臣は天皇家との外戚関係にあるため、その権勢は非常に強い。

 一方の今上陛下は、非常に和歌の才能に溢れる人物であった。繊細な心の持ち主であった彼の詠む歌は、見事な描写力を兼ね備え、それでいて誰の心にも響く。有名な歌人でさえも、嫉妬の溜息を漏らしてしまうほどだ。しかし、言い換えるなら、陛下には和歌の才能しかない、と口に出すことは出来ないまでも、公家衆にとって共通、暗黙の認識だった。現に、執務は総て大臣と参議が行っている有様で、陛下は朝廷に顔を出すこともほとんどない。

 古参で陛下にも諫言を言える立場にあった左大臣が急な病に倒れ、この世を去った後は、益々右大臣が幅を利かせはじめ、貴族のほとんどが媚をうる始末。ゆくゆく、今上陛下と中宮藤子の間に生まれた一子、東宮の春が帝となった暁には、右大臣は帝の祖父となる。そうなれば、更に右大臣は我が物顔になるだろう。

 もしも、右大臣という人間が、人柄に優れ、この国を率いるに値する人物であれば、「政変」など起こりはしなかった。しかし、右大臣はそれほど、皆に慕われるような人物ではない。自らに従うものだけを是とし、反発するものは悉く政界から放逐する。彼の、興味あるものは、国民や国益というような言葉ではなく、また天皇陛下への忠誠でもない。ただ、自らと、自らの家名に対する、権力の誇示であった。

 そのため、陛下が執務を執り行わない分、政のすべては右大臣の思うまま。その結果として、有能な貴族たちは、次々と政の表舞台を去っていった。治安は乱れ、近隣の山々には盗賊がたむろする。大路は賑わいを忘れ、羅城門(らじょうもん)の辺りには、貧困にあえぐ者たちが集まり、陳情を述べる。

 このままでは、この国の王は疎かにされるばかりか、この国の行く末も危うい。左大臣の派閥に属していた人たちは皆、(こうべ)を垂れた。垂れながらも、誰一人として、右大臣に意見する勇気のあるものはいない。

「ならば! お歴々に代わり、拙者が御政道を正しましょう」

 と、声を上げたのは、当時、滝口の武士を務めていた、清浦朝惟であった。なにも、血気に逸ったわけではない。朝惟と言う男は、武士にあって冷静で用意周到な男である。彼には、ちゃんとした勝算があった。

 清浦家は、中宮苓子の遠縁に当たる家柄であり、朝惟はその立場を最大限に利用しようと考えたのだ。即ち、今上陛下の妻である、中宮を介して直に陛下に「意見書」を奏上する、と言うことである。

 苓子が桜を後宮に招いたあの日、苓子と朝惟の間に交わされたのは、政道を正すという密約であった。苓子は、朝惟の申し出を快諾し、総ては上手く良くと思われていたのだが、人の口に戸は立てられない、とは良く言ったもので、密約は今上陛下に「意見書」を奏上差し上げる前に、右大臣に露呈した。

 苓子付きの女官のひとりが、口を滑らせたのが原因だったが、彼女に悪気があったわけではない。話のネタにとつい話してしまったのを、藤子の近習が耳にして、報告したのだ。だから、口の軽い女官を責めたところで、彼女を罪に問うと言うわけにはいかなかった。

 こうして、朝廷に「政変」が起きた。計画を知った右大臣による、左大臣派閥の貴族の政治的な粛正が始まり、左大臣派閥の有力な貴族たちは、爵位を剥奪され、遠島に処された。民部卿であった、文屋もその一人だ。朝惟は、近年北国で頻発している豪族や武士たちの小競り合いを鎮めるために、奥羽(東北)に出兵するよう命じられた。体のいい左遷である。一方、朝惟たちに協力した苓子は、後宮の屋敷に蟄居(ちっきょ)となり、そのために、お読書役を務めていた桜の母、香子も参内できなくなってしまった。

 右大臣の権勢は磐石を極め、国も民も貧困を窮める。しかし国がどれほど荒れても、右大臣の報復を恐れ、宮中の誰もが、貝のように口を閉ざす。政変から九年が過ぎた今になっても、その悪循環の経路は途絶えることはなく、人々の鬱憤は頂点に達しようとしていた。

 その成れの果てが、老人のぼやいた言葉なのだろう……。


 桜たちに救われた、乞食の老人こと、元民部卿の文屋岑延(ふんやのみねのぶ)は痩せこけた体のあちこちに、生傷を作っていた。無論、あの心無い若者たちが足蹴にした所為だ。桜たちは、岑延を羅城門まで送るために、その肩を貸した。

「まことに、かたじけのうございます」

 羅城門までの道程、何度も何度も岑延は、三人に礼を述べた。かつて、左大臣の最近習と呼ばれた民部卿であった男の、態度とは思えないほどだった。

「して、桜さま。苓子中宮さまのお読書役であらせられた、香子さまは、息災にしておられますか?」

「母ですか? はい、おかげさまで。お読書役は、罷免されてしまいましたが、(うち)で書など読んだりして、平穏に暮らしております。民部……文屋さまは母をご存知なのですか?」

「はい、存じております。殊、苓子さまは、香子さまをとても信頼しておられました。今、苓子さまは後宮の奥に閉じ込められて、さぞ不自由されていることでしょう……おいたわしや」

 岑延は、目を伏せた。すると、椿は少しだけ岑延を睨み付けながら、

「それは、文屋さま方の所為でしょう? 無茶なことをして、右大臣さまに逆らったりするからです。愚かしいとは思われなかったのですか?」

 と言った。桜や茜は知らないことだが、椿の父は「政変」の折、右大臣に媚をうった公家衆の一人である。椿は、そんな父のことが嫌いだった。文屋に叩き付けた言葉は、そんな父への小さな嫌悪の裏返しだった。

「椿さまは、手厳しい。されど、九年前、我らは間違ったことをしたとは思っておりませぬ……」

 やがて、朱雀大路の南端、都への入り口となる羅城門が見えてくる。朱塗りの門扉は、沈み行く真っ赤な夕日に染まり、その巨大さを浮かび上がらせていた。

「御覧なされ」

 岑延が示したのは、その門前に横たわる人の群れ。誰もがひもじさを全身で背負ったように痩せこけ、生きているのか、死んでいるのかも分からないほどうつろな瞳で、少女たちを見つめる。桜は、正直怖いと思った。

「皆、乞食どもでございます。明日の食い物もないほどの貧困にあえぎ、大内裏に陳情すれども、その願いは届くことなく、こうして羅城門の前に、集まっているのです。これが、この国の現状なのです。わしらは、それを変えたかった……願いは届かず、傷口を広げただけ。まさに、仰せのとおり、愚かなことです」

 自嘲とも取れるような笑顔を浮かべて、岑延は語る。桜たちは、呆然としながら、羅城門の前に集まった、乞食や民草の姿を見つめ返した。

 知らないことではなかった。桜たちの生活は、碁盤の目に仕切られた平安の都の中で完結しているとは言え、広い国が貧困に苦しんでいることは、いやでも耳に入ってくる。しかし、貴族の娘たちにとって、まともにその貧困を目にすることはなかっただけのことなのだ。それだけに、羅城門前の光景は、少女たちの心に重くのしかかってきた。

 再度礼を述べて深々とお辞儀する岑延と別れ、桜たちは朱雀大路をそれぞれの邸宅に向かって引き返した。その間、見てはならないものでも見てしまったかのように、少女たちはそろって押し黙っていた。

「あたしたち五巫司に、何とかできることじゃないよ! そんなことより明日の賭弓だよ!」

 最初に沈黙と暗澹とした雰囲気に耐えられなくなったのは、茜だった。目いっぱいの作り笑顔を浮かべて、弓を引く仕草をして見せる。

「そうそう! 気分を切り替えなくちゃ! 左近衛の舎人衆に一泡吹かせてよね、桜」

 茜にあわせるように、椿もぱぁっと笑顔を作って、桜に言った。

 そうだ、内裏をお守りすることが役目の自分たちに、この国の現状など、どうこうできるわけではない。岑延も「何とかしてほしい」と言ったわけではない。それを、もどかしいと思っていては、心を乱され、弓の腕が鈍ってしまう。年に一度の行事。折角、推してくれた右近のためにも、恥をかくわけにはいかない。

「もしかすると、東宮さまにお会いできるかもしれないわね」

「あわよくば、声をかけられちゃったりなんかして!」

 椿と茜はそういうと、二人顔をあわせて、きゃっきゃと少女らしい声を上げて喜ぶ。桜は、そんな二人を見て呆れるやら。

「だから、違うんだってば。東宮さまとは……」

「じゃあ、どうして桜は香子さまの反対を退けてまで、五巫司になったの?」

 椿が急に真剣な顔をする。先ほどまでの深刻な顔というよりは、桜の恋を気にかける友人の顔だ。

「答えられないことじゃないでしょ?」

 と言う椿の言葉に、桜は思わず口ごもってしまった。

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