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176  作者: Nora_
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「おーい、ずっと真織を見てどうしたの?」

「いや、特になにかがあるわけじゃない」


 真樹と同じでずっと優しいやつだった。

 結構表情に出やすかったり、正直に吐いてくる存在ではあったが、穂波がいなかったらまず間違いなく真織を好きになっていただろうな。

 だからあのとき言ったことは嘘じゃないんだ、ふたりから不満そうな顔をされるから言わないが。


「あんた見すぎ、視線に敏感じゃなくても今日のレベルなら丸分かりよ」

「ははは、実際に見ていたから否定はしないぞ」

「穂波のことを見ておきなさいよ、というか、なんで穂波の椅子にあんたが座っているのよ」


 こっちの腕を引っ張って立たせてから「穂波が疲れるでしょうが」と。

 この前その穂波は真織にちくちく言葉で刺していたが、この感じだともう仲直りできたのかもしれない。


「ちょっと真織」

「あー、はいはい、千葉の腕に触れて悪かったわね」

「ありがとっ、やっぱり真織は優しいねっ」

「え? あ、うん」


 ほ、穂波が座らせてきたから俺が自分勝手で悪いわけじゃないぞ! と内で言い訳をする。


「それで? なんで私は見られていたの?」

「今日は珍しくひとりだったからだ」

「あー、今日はちょっと忙しいみたいだから」

「じゃあ遠慮しないで来いよ」

「って、邪魔されたら嫌でしょ」


 教室でできることは会話ぐらいだ、だからそんなことを気にせずに来ればいい。

 穂波だってそれを望んでいる、真樹がいないのであれば尚更のことだ。


「「邪魔じゃない」」

「そう? それなら今度からは行くわ」

「というか、真織が自分から来てくれたの初めてじゃねえか?」

「大袈裟よ」

「そうだよ広人、私のところにはちゃんと来てくれるよ?」


 ああ、俺がいつもこっちに来るからこういうことになるのか。

 クラスが違うというのは今更だが面倒くさいな、まだ真樹が同じクラスだからマシと言えるが。


「はあ~、疲れた~」

「お疲れさん、だけどその割にはすぐにこっちに来て面白いな」

「真織達といたいからね」

「俺が含まれているのか不安になるよ」

「含まれているよ」


 ……面倒くさい絡み方をしていないでそろそろ戻るか。

 挨拶をして教室を出たら「待ってよ」と真樹が追ってきた。

 別に避けているわけじゃないんだぞとぶつけたら「ははは」と笑われてなにも言えなくなった。


「邪魔をしてごめん」

「真樹もかよ、変な遠慮はいらねえぞ」

「そう? それなら真織と行かせてもらうけどさ」

「ああ、それでいい」


 なんで笑われたのは分からないままだった。

 まあでも、悪く言ってくる人間達ではないから心配する必要はないかと終わらせたのだった。

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