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少年の風景  <もっと地味な子なら>

作者: 黒楓

お腹が満ちた後の授業は

先生の声が()()の様で

意識がぼやけて睡魔を誘う


カチリ!

カチリ!


これは睡魔へのカウントダウン?


ではない


ふんわりとした香りを纏って(まとって)

隣の席から聞こえて来て

却って僕を揺り起こす


この音って?!


僕は首を擡げ(もたげ)隣の席の綾瀬さんを見やり

音のありかをそっと探す


午後の日差しをキラキラ弾く綾瀬さんの髪は

軽く頬杖を付いた

白くしなやかな手の甲に

薄く影を落としている


その向こうに見え隠れするシャーペンの先が

音のたびに伸びて行くのを

まるでテントウムシでも留まっているかの様に

じっと見つめている綾瀬さん


僕の事など見てやしないのに


「鈴木くん! さっきからなんでこっち見てるの?!」


って言われて


僕は自分の視線の熱量を恥じ


「シャーペンの芯が折れそうだから」

とごまかし混じりにぼやかした



「えっ?! シャーペンの芯なんか見てて面白い??」

「だって、綾瀬さんが見てんじゃん!!」


僕の“返し”が綾瀬さんにストン!と入り


「アハハ!そうだね!!」って

キララ笑い声が

先生の()()を破った



「あ~や~せ~!」って注意する先生に


「だって鈴木くんが隣で変顔するんですぅ」

とすまして言う綾瀬さんは


「教室の後ろで立っていろ!!」と叱られた僕に


声にならない声で

「ご・め・ん・ね」

と謝りウィンクするので


むくれた気持ちなんかあっという間に立ち消えて

教室の後ろに陣取った僕は


クラス一の美少女の綾瀬さんと僕がこんなにも席が近い事と

綾瀬さんのセーラーの襟に流れている艶やかな髪を

「もっと地味な子ならこんな事にはならないのに」と言葉だけは愚痴りながら

ニヘラニヘラ眺めていた


しろかえでに私の書く少年がウケたのでまた書いてみました。


朝の通勤時の妄想にはちょうど良かったです(#^.^#)




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