第5話
男は関連資料に強固なプロテクトを施していた。彼の遺伝子コードをベースに今迄の薬品研究データをバビロン市医療薬品局にアップロードを行った。
これですべていい。これが役目だった。
新型の向精神薬『セブン』の臨床試験データ、他にも呼吸器系を意図的に操る試験薬と超即効性の睡眠薬の試験的データ。人々の為に必要な薬品たちだ。
これを世に出さないで、何とする。特に『セブン』の結果には男自身も恐ろしい位な結果を作り出していた。A10神経系に強く作用し、モルヒネ並みの快楽物質を生み出し、尚且つ麻薬とされるような『毒』たちのようにシナプス間のドーパミン再吸収阻害作用を無くし、過度な興奮、所謂『ハイ』状態をある程度抑制し長期的な幸福感を得る事が出来る。
健やかなる幸福感を人工的に作り出す『幸せの薬』。製造コストは従来の化合物よりも断然合成しやすく、尚且つ安価。収益率も加味すればこれは間違いなく富を生み出す『金の生る木』。購入者の懐も痛まず無益な搾取を行わず、中毒依存性のない薬理効果と経済効果で、販売業者と消費者の双方がwin-winな関係性を築ける。
慎重に慎重を重ね、新カルタヘナ議定書の内容に沿った遺伝子にも、自然にも優しい物質。全て巧くいく筈──だった。
あの記者がしつこく男の身辺を嗅ぎまわってきたために、“ファーザー”の指示を仰ぐ羽目になった。あの方の、あの方々の逆鱗に触れてはいけない。消されてしまう。
「クソッ……クッソっ‼」
バリバリと毛髪を掻き毟り、血が滲み頭皮から血液が滴った。
不正なんてないのに不正を意図して作り出しそれを我らに擦り付けるマスメディアの豚ども。人の粗を探してそれを世間という何でも真に受ける連中に晒して金を稼ぐハイエナたち。アイツ等を黙らせるのに“ファーザー”の怒りを買ってしまったのなら──恐怖だった。
腹の底から寒くなり疼痛のような痛みのようなそれが襲い掛かってくる。恐怖が襲い掛かり眩暈を誘う。頭がガンガン痛い。息遣いも気持ち荒い気がする。
どうにかして『セブン』の認可までこのデータを隠し続けなければならない。認可さればそう簡単に撤回はされない。撤回され販売が停止されたとしても“ファーザー”の目的であるセブンの製造法は世界に公開され、誰かが製造する。
種蒔きだ。それはイデオロギー、プロパガンダに似た播種的行為だった。“ファーザー”がどんな目的があってそれを行っているかは分からない。だがそれは少なくともそれがlikeの為になるのなら、それが男の功績になるのならそれでよかった。
男の幸福はそこにあり、他にも享受すべき幸福をこの薬は生み出す事が出来る。
なのに──。
「あああああああッ‼」
怒り狂ったようにデスクの上に置かれた端末を投げ捨て、どのようにこの事態を収束させるべきか悩みあぐねていた。
今朝“ファーザー”の連絡があった。その連絡の内容は、終わりを意味していた。
国連治安統治監視機構が動いた。
最悪だ。最悪だ。一巻の終わりだ。
奴らは埃が無い所でも無理に叩き上げ、その証拠をでっち上げる。しかも国連直轄の治安組織、遺伝子書き換え法を盾に、強引な捜査をすることで有名だ。国家、組織、あらゆる枠組みに介入しその粗を見つけ出す、ドブネズミたち。あんな者たちに男の薬の認可を取り下げる権利を与えるなんて、堪えられない。
「っ──‼」
発狂してしまいそうだった。いっそう激しく頭皮を掻き毟り、痛みで正気を保とうと必死だった。こんな事になるのなら、この試験データを廃棄、いや、それではデータ復元で証拠を残す事になる。認可まで、このデータが流失しないように男の脊髄遺伝子のデータのプロテクトで隠せば、いやそれだとしても男が拘束されれば幾らでも細胞の採取が──。
必死に考える男にふと昨夜の少女の声が頭の中に木霊した。
『──楽になっていいのよ──』
そうだ。そうだ。そうなんだ。考え過ぎじゃないか。簡単な話じゃないか。
男は研究室に向かって足を進め、遺伝子書き換えの前段階の試験エリア。高濃度放射線照射室へ足を向けて走っていた。
“ファーザー”に消されるくらいなら、国連治安統治監視機構に事態を暴かれるぐらいなら、いっそ自分の手で全てを闇に葬り、功績だけを後世に残した方がいいのではないか。そうだ、きっとそうだ。それがいい。
遺伝子コードを残してはならない。毛髪の一本程度ならどうと言う事はないが、問題は自身のこの肉体が枷になる、死体は残せない。だからこの部屋だった。
四方を厚さ十ミリの鉛の鉄板が追おうキューブ。そこの角に設置されているのは、チェレンコフ放射装置で、意図して遺伝子を傷つけ、その余白に別の遺伝子を書き加える為の装置だ。
タイマーをセットし男はそのキューブの中で膝を折り、祈りを捧げるようにそれを覗く、“ファーザー”との通信の際に使用されるスマートの回線で、亡国の科学者と出会いその研究の果てに『神』を観測したデータを基に、男が個人的に鑑賞する為に作り上げた拡張現実映像。
光の束を見つけ出し、それの美しさに酔いしれ、頭の中に響く甘美なそれを受け入れ、──青い光を受け入れた。
……
…………
……
トッティーの運転する水素自動車はミッドタウンを走り抜け、セキュリティの高い上流階級区画に入り、北海道付近に建てられたバビロン塔、本来の建設目的は日本主導の宇宙エレベーターであったが、大戦渦の余波で建築は止まりその機能を内包したまま商業ビルに改築されたそこへと走って行った。
奇妙な構造だった。無数の十字架が折り重なったような幾何学的な建造物で、地震大国のプレート付近にある為に、その強度は無類で塔の中間部に錘の役割を果たす、空中庭園を吊るす事で振動を吸収する設計になっていて、マグニチュード10まで耐えうるというシミュレート結果が出ている。実際そのような巨大な地震は起こっていなかったが小さな地震程度では倒壊の恐れはなかった。
第二次ルネサンス期の繁栄の象徴。神の怒りに触れたバベルの塔を思わせるそれは、実際、神の怒り『災悪』の象徴である“大戦渦”の引き金となっているのかと思わせた。
エルたちはバビロン塔の駐車場で降りて、まっすぐエントランスへと向かって行く。
洒落た街並みにブランド物で身を包んだ人々が行き交う中で、エルたちは未成年で尚且つ服装からして異彩を放っていたのは言うまでもなかった。
仕方のない事だった。美というモノは突き詰めれば常に先駆けを得る事であり、先を行けば突き抜けて、まるでコスプレのように見えるのは仕方のない事であったがエルたちの不思議なところはそんなコスプレとも取られても可笑しくない服装でありながらその服を完璧に着こなしていた事だった。
皆が目を引く華。完璧なる美少女の二人に、道行く異性問わず目を引いていた。それは奇異な者を見る目ではなく、見て得をしたと言う様な目だった。
これだから人混みは嫌いだ。エルはそう言いたげに唇を尖らせて、スティック型のVAPEに口を付けた。オイルはCBDのピーチ風味で嗅いでいて飽きの来ないフルーティーな香り。
『アカウントの提示をお願いいたします』
エントランスはかなり警戒厳重なセキュリティだった。身分証明書と職務経歴書とその他通信機器のID表示。警察犬と微分子検査機がウロウロしていて、頭上のバビロン塔の柱に満遍なく取り付けられたモーションスキャナーがエルたちの体で不可解な点が無いかを調べ尽くしていた。
エルたちを呼び止めたのは円筒状のドローンで通称“ゴミ箱”と称される清掃兼警備アカウント確認ドローンだった。
エルたちは手の平に張り付けたスマートフィルムを操作し、バビロン特区市の市民アカウントした。エルたちの身分、一般市民でありこのバビロン塔の商業区画までなら何ら問題のないアカウントだった。
ゴッドマザーに拾われてすべて用意してもらっていた。一応ここバビロン市は日本領に区分され、身元保証人は教育義務なるものがあるそうなのだが、エルたちはそんなものどうでもよかったし、教育されるまでもなくある程度の地頭がよく、数ヶ月の通信教育で単位を取得していた。唯一問題があるとするなら体育、運動に関する授業を全員がすっぽかして店の為に働いているからに、全員頭がいいのに留年していると言う事だった。
運動なんてはっきりな話、歩けて、喋れて、食事や排泄に支障のない運動が出来ればそれでいい。ゴッドマザーもそう言っていたし、実際そう思う。
“ヘル・アビス・クラブ”の目玉商品である五人の未成年娼婦たち全員、そこそこの生活が確約されていた。店での活躍は売り上げに直結し、そしてその売り上げの六割が彼女たちの懐に入る仕組みになっていて、彼女たちだけでもはっきりな話、“ヘル・アビス・クラブ”は成り立つ。だが、クラブバーの体裁と大人の社交場という名目で、スーパー銭湯、レストランの機能も持っているのが“ヘル・アビス・クラブ”だった。
バビロン市でも有数の有名どころだろう。酒を楽しめ、食事を楽しめ、リラクゼーションや大人な娯楽も楽しめる。そこに居る五人の妖精の内二人が、ここに来ているのはある意味では奇跡のような現象であり、“ヘル・アビス・クラブ”を知っている者たちならスマートのカメラを向けていた。
まるで見世物、というのはあながち間違いではなく、見世物としてその知名度が娼婦としての売りであるからにこうした一般大衆に認知されると言う事は仕事に直結していると言う事を忘れてはならない。
アカウント承認を終え、エルたちはバビロン塔の商業区画へと踏み入った。小洒落た店たち、中世ゴシック建築を思わせるバビロン塔の内装に合わせ第二次ルネサンス期のまだ生き残っている先進技術が目白押しだった。
スマートなしで見えるオーグメント広告もそうだし、何よりドローンが多いい。ゴミ箱もあちこち走り回っている。
アパレルショップは最新の衣服を取り扱い、多機能を売りにしている先進技術のタップリ詰まった衣服はまさしくカメレオン。スマートとペアリングすれば色など自在に変えれ、形式の変化は流石に無理だが、大男から小人の身長の誤差も伸縮自在な特殊繊維で変化させる事が出来て、尚且つ手にプリントするスマート端末、エルたちの使う手の平にプリントアウトされたフィルムシール型のスマートが繊維内に組み込まれていてピカピカ光る。
最近のそう言った先の行くコーディネーターたちは服の表面に動物の映像を表示し住まわせるのが主流なのだという。エルはそう言ったのは無縁と感じていたが、撫子の舞の演舞、巫女服に鯉を表示して踊る様は確かに神秘的に思えた。
緩い螺旋状の上り坂を登って行き、目的とするクレープハウスを目指す。
「うぶぶー」
健太郎も外出できてご機嫌の様子で手に持ったガラガラを叩き割らんばかりにベビーカーの縁に叩きつけて興奮していた。バビロン塔の中心部、吹き抜け構造の底は本来は宇宙エレベーターの昇降機が設置される予定であったが、大戦渦の余波で計画停止し代替案で噴水になり二十四時間、人目が付く間はあらゆる光映像投射で見事な噴水ショーが見られる。時には火山の噴火のような赤々としたそれを、時にはナイアガラの群青色の滝つぼを、深海か宇宙かの大パノラマを見せてくれる。
ベビーカーの保護シールドは中の子供が360度、見たいところを見れるようにタッチパネル画面が表示されていて、健太郎は噴水に興味津々のご様子だった。
そんな中で健太郎のきゃっきゃと楽しむ声を微笑みを浮かべ、エルとキャロルは二人揃って笑い合っている最中、手のスマートにピコンと着信音を立てて通信が来る。
手の甲を触り操作すると、
『こんにちは。僕はスペースシステムズ社の高度汎用量子AI“アドニス”です。ようこそ、バビロン宇宙エレベーターシャフトへ。今日はどのような御用でございますか?』
拡張現実空間に表示されるキューピットの映像で表示されるバビロン塔のガイドAIがエルたちの前に表示されていた。
「アドニス? 新しく出来たっていうクレープハウスに行きたいんだけど」
『クレープハウスですね。分かりましたご案内いたします』
「ねえエル? アドニスの挨拶っていっつも思うけど宇宙エレベーターじゃないよねここ」
「きっとAIの位置座標の範囲のメタデータが旧式のまま使っているのよ。だから宇宙エレベーター、商業区画の範囲は学習してるみたいだし、大丈夫じゃない? 実際ここ宇宙エレベーターの残骸だし」
案内に支障がないのならそれでいい。いくら官庁区画の電脳管理局が仕事をサボろうと、支障のない一般生活を提供しているのだから文句は言いようがなかった。電子データは常に更新とアップデートを繰り返さないと重大な問題がいつか出るというが、実際の所そんなのどうでもよくて、エルたちのような人種にとって電子的なモノで重要なのはlike管理のAIがキチンと動作しているかどうかだった。
通貨崩壊で世界各地の中央銀行が機能停止し、ありとあらゆる通貨の取引所、暗号通貨も含め白紙化されて、金の価値は紙切れとなったからに、likeの価値というのは重大で、通貨価値を持ち始めたのは近年に入って行ってから、国連の通貨金融国際基金がlikeを発表し、それが代用され始めまだ十年と経っていないが、あらゆる国がlikeを基準に経済を回している。それを集中一極管理しているのが、過去全世界で最も知能指数が最高値に達したAI『アイオーン』の基礎データをベースに構築された半次元平行構築量子AI『デミウルゴス』であり、これさえ機能していれば世界の経済は安泰だった。ハッキングしようとする連中は居れど、『デミウルゴス』の構造は既存のAIのそれとは違い、構造自体が次元間の隙間にメインのCPUを構築しているというのでアクセスも困難と来た。しかも既存ネットワークは暗号、秘匿性というモノが完全に崩壊し、データが回るわかりしているから、使い物にならなくなっていた。だからネットも代替品、|ワールド・メッシュ・ウェブ《WMW》に移行する事になったのは有名だろう。
何であれ、エルたちの生活に不可欠なlikeさえ正常に機能していればそれは御の字だった。
高度汎用量子AI“アドニス”。この最先端を技術の開発を許された土地ではごくありふれたAI技術の一つだった。世界はAIで溢れている、金融、物流、生産、育児、介護、あらゆる分野でAIは活躍し個人製作もAIの基礎技術がオープンリソース化されて22世紀現在で誰でも作る事が出来るし、人類一人一人に一機のAIを宛がってもAIの数の方が多いと試算されている位で、エルも司法取引や、行政支払いの全てを個人チューンされたホームAIに任せている。誰もがAIに頼り、AIに寄り添い、AIを駆使している。AI規制論も昔は合ったそうでそれこそAIの反乱なんて話もあったそうなのだが、そう言った思考自体が『思考知能リミッター』というモノで縛り付け、反乱の反の字も彼らの考えの中には無いのだろう。その枷があるからこそAIは人間に隷属し使役されている。
そうなってくると出てくるのが、AIの人権を訴えるグループが一定数いて、思考する物体に人権を与えんとする連中がいる。エルは馬鹿馬鹿しい論議と鼻で笑い無視するが、これの議題は連日に亙り国際世論の的になっていて、世の中酔狂なものだと思う。
命とは何か、命と類別されないそれに権利を与えていいモノなのか。実際の所そんな議論に結論はありはせず、彼らはただの高性能な『電卓』に過ぎない。そう考えるのは烏滸がましいだろうか。
とにかくAIが権利を保有するにしろ、しないにしろ、彼らの生殺与奪で扱いは『殺処分』であり、犬猫と大差のない扱いを受けている。
アドニスの案内で到着したクレープハウスは新規店舗と言う事もあり人が目新しさを求めて集まっていた。その中には。
「あ、フェイス。ジプシー!」
キャロルが嬉しそうに駆け寄った二人組の少女。彼女たちも“ヘル・アビス・クラブ”の華である五人の未成年娼婦の人員。ジプシーと、エンジェル・フェイスだ。
二人とも本名は捨て、源氏名であるモノを名前にしていた。
長身の浅黒い肌色でプラチナブロンドのストレートヘアーのしなやかな肉体を持った少女が着こなしている煌びやでゴージャスなベリーダンス風の衣装。アラブ系の血筋で東ヨーロッパの汲んだりからここまで流れ着いてきた少女は『定住を持たない遊牧民』と名乗り、実際彼女は“ヘル・アビス・クラブ”でお客を接待する事はあまりなかった。
もう一人はよく知っている。エルと同じ施設から逃げ出して運のいい子で、天使のように可愛らしい顔に鼻筋の通った美貌はまさに名前の通りの『天使の貌』であり、彼女もその名前を気に入っていた。身に纏うゴシックロリータはより天使と見紛うような可憐さを持っていて庇護欲を大変そそられる。
「エル。キャロル。あなたたちもここに?」
ジプシーがそう言い抱き着いてくるキャロルの頭を撫でながら私たちを迎え入れた。
エルは肩を竦ませ、キャロルを見るとなるほどと言った様子でジプシーは理解した様だった。こんな日の高い時間にエルが外に出歩くこと自体が珍しいからに、用事の殆どをボーイたち任せているからに、キャロルの我が儘に付き合わされているのをすぐに理解してくれた。
エルに近寄ってギュッと体を寄せてくるフェイスの笑顔。彼女は共に逃げている最中に、現実の厳しさを受けすぎて『言葉』を忘れてしまった。だからもっぱら会話はスマートのメッセであった。
『パパがね。ここのクレープハウスに出資していて半額にしてくれるって。偶然ジプシーと会ったから、一緒にって』
「そう、なら。私たちも一緒にご相伴に預かろうかしら」
半自動で調理されるクレープハウスの厨房を見ると、やはり“ヘル・アビス・クラブ”の厨房は昔ながらの手作りを売りにしているからにかなりlikeが高く設定されているのを知っているからにこういったチープなジャンクフードを食べるのは、舌が贅沢になり過ぎないようにするにはちょうど良かった。
キャロルはオレンジソースのクレープを選び、ジプシーはチョコレートとカスタードクリームの、フェイスがリンゴとイチゴのホイップクリームのクレープを選んで注文していた。健太郎は甘いシリアルを選んでいた。
エルもピーチとバターシュガーのスタンダードロールで注文する。五分と経たずに自動調理されたそれが出て来て、まだ出来立てで生地が温かい。
皆で、眺めのいい空中庭園へと向かって束の間の子供の時間を楽しんだ。
日も翳り出した僅かに赤みを帯びたバビロン市を望み、私たちはこの生活を満喫する。本当にいい生活をゴッドマザーはさせてくれる。
パクリとクレープを頬張りながら、ここからの風景を目に焼き付けるように、クレープを味わうのだった。