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夢使いのギルド設置

 決闘終了後のゼンはとても嬉しそうだった。

 それに対してリンゴは自分の不甲斐なさにため息をついた。


「で、私に勝ったゼンさんは私をどうするのかな?」


「まずは私が目をつけておいた物件に行きましょう。10位以内の最強プレイヤー達、通称『十魔神』が目を付けた物件なんて下手に触れないでしょうから」


 そう言われてリンゴはゼンの後をついて歩き始めた。

 モンスターを狩りまくっていた噂の少女と十魔神の1人が一緒にいるのは知ってる人達からしたら異様な光景だろう。


 ゼンは周りを気にせずに歩きながらリンゴに〈癒しの息〉を使った。

 それにより傷も体力も何もかもが完治したリンゴは何も言わずに頭を下げた。


「あんなのが従順になるのは不気味ですね。もう少し反抗的でもいいんですよ?」


「いや、喧嘩好きな私が自分のルールに従ってるだけだから。別に君に負けたから静かに従ってるわけじゃない。敗者は何も語るべきじゃ無いだけ」


 あれだけ騒いで暴れまくるリンゴがそんな意外なことをしてることを知ってゼンは驚かされた。


「ゲームでも真面目ですね。でも、それが時にいい場合がありますけどね。上位はみんな最低ですから」


 ゼンは虚空に強すぎる他の十魔神のことを思い浮かべながらそう言った。

 リンゴはその言葉をスルーしてゼンに言った。


「ねぇ、もしかしてあそこに見えるお屋敷が目的地だったりする?」


「そう!あれが私が目を付けておいたギルドの本拠地です!他にもありますけど、ここが一番気に入ったのでここにしました!」


 そんなに歩かずについたその建物は、和と洋を混ぜたような大きなお屋敷だ。

 その中に入る前にゼンは勝手にリンゴをマスターにしてギルドを成立させた。

 それから直ぐにイベントの報酬などを使ってお屋敷を買い取った。


「はい!これでもうあなたは逃げられません!もう諦めて自分から動いた方がいいですよ?」


 こんなことをしてるのはあんたの意思だろうが!とリンゴは言いたいのを我慢してこの状況を受け入れた。


「仕方ない。ここまで来たら諦めてギルドでトップに立ってやるさ。でも、仲間とかはどうする気なの?」


「私に憧れる人は少なくありません。それと昨日と今日の一連のモンスター狩りで有名になったあなたの知名度を利用します。私としてはあなたに正式な仲間になってもらって私を1位に導いて欲しいんです。そのためなら私の偉大さを遺憾なく発揮して仲間を集めてやります」


 何かをしようと考えるゼン、リンゴはすでに強さと頭の回転の良さを感じ取っている。

 だから、吹っ切れようとしてるリンゴはゼンを味方と認識して頼ることにした。


「ふふ、私をどうしようと任せるよ。でも、仲間を集めるまで私は君を認めないからね」


「難易度の高いゲームこそ燃えます!あなたを力で味方にできるなら挑んでやりますよ!それがゲーマーってものです!」


 そういう話をした後にゼンはリンゴの手を引いてお屋敷の中へと入って行った。


 入るといきなり何かを祀るための舞台が目についた。

 そこを自慢するようにゼンはリンゴの目を見て言った。


「さて、あそこがあなたを祭り上げるための舞台です。あなたを神のように扱ってギルドを大きくするつもりです。その名も!『神ありの国』作戦です!」


「もしかして『神ありの国』がギルド名だったりする?」


「その通りです!夢を実現する能力を前面に出して私の強さと合わせて大きく見せます!」


 確かにこれなら引っかかりそうな気がリンゴはしてきた。

 強者と便利な能力を一緒に置くことでとても良さそうな感じに見せるわけだ。


「まぁ、そこは君に任せるけどミスらないでよ?私はこうなったらとことんゼンを頼るから」


「ゲーム人生を悪いものにはさせません。最高に狂って、最高に最強なゲームにしてあげます」


 強くて自信満々なゼンにリンゴは時間と自分の力を賭けることにした。

 ゼンという自身の塊に色々と任せるのだ。


「じゃあ、私はあの舞台の上で試しに座ってあげるよ」


「お願いします」


 リンゴは自らの意思で屋敷にそぐわないその舞台に登った。

 上に立つと瞬間に自分の能力がどんなものなのか悟った。

 そして、舞台の中心に立つとその能力が初期装備のままのリンゴを神のように見せた。


「わぁ、私の予想以上でした。オーラと雰囲気が完璧です。苦手なことも他人を頼れば出来そうです」


 ゼンはリンゴの神的なものに見惚れている。

 神もどきのリンゴはゼンを応援するように微笑んで見せた。




 --------------




 一時間後、ゼンはリンゴと自身の存在を使ってギルドを作ったことを宣伝して回った。

 その結果、約40人が2人の強さと派手さに惹かれてギルドに加入した。

 ゼンの代わりにギルドマスターになったリンゴはこれで正式に前を認めて、ここから少しずつちゃんとした仲間になることを約束した。


「ゼン、もう私は自由にやらせてもらうよ。君が仲間と言ってくれるなら逃げないからさ」


 そんなことを言われた経験のない一匹狼のゲーマーだったゼンは泣きそうになりながら一緒に約束した。


「私はあなたを仲間と認めます。みんなにもちゃんとそれは示すから、私は絶対にあなたを負けさせないと、裏切らないと約束します」


 成り行きから8位の上に立ったリンゴはその立ち位置も利用してゼンと正式な仲間になった。

 ギルドの下っ端プレイヤーと違う扱いでゼンは初めてリンゴと仲間というものになれた。

 そんな仲間にゼンは自分が集めた素材で生産職の生成系能力者に作ってもらった着物をプレゼントした。


「これは仲間に強く美しくあってもらうために用意したものです。どうぞ、これに着替えて威厳を見せてください」


 歪な関係と出会い方をした2人だが、最悪なコンビとして2人ともレア装備に身を包んだ。

 ゼンが普段から装備してるのは黒いドラゴン系の一式で、それに対してリンゴにプレゼントされたのは様々な耐性を付与された着物だ。刀も折れにくくて強い物に新調された。


「ふふふ、神のような存在をやるのならこれはふさわしいかもしれない。この数時間しか一緒にいないけど、ゲームに本気な人ならこの力を本気で使ってあげる」


 ここでリンゴはレベルを上げて得た力を発動した。

『夢ノ大神』はリンゴを新たに使える使える実現化の能力の制限を少し外した強化版と言える。

 それをリンゴは手にしたことによって黒髪が白に変わってより神様っぽくなった。


 この日はこれをギルドの下っ端達に見せてゲームを終えた。

 その日以来、リンゴは普通にゼンと連絡を取り合うようになって無料通話アプリに追加し合った。

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