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一か月500話の廃人

ただ、悲しみを覚えた。

日々つのる、数えきれない感情を紛らわし、その中で一人だといきつくたび。

今までのこと全てが無意味に思えた。

そうして服を買いに行くこともやめ、スマホに残った一小節がただ心を支える。

「どうすればここから、明日を夢見ることができるだろう」

そんな、淡い期待だけが脳裏を巡り、手をとめ続けていることに気づいた。

「まずは普通にならなくちゃ」

どうしてかそう思った。みんなと居たいという、きっとシンプルな感情からだろう。

「普通はどうすれば手に入るんだろう」

考えた、答えは出た。それはみんなと同じことをするということだった。

「よし明日からはみんなのしていることを聞いて、それを実践しよう」

まずは行動だ、そう思って、行動しようと思った。

だけど、今の僕は家に一人だった。ここからどうすれば、人の輪に入れるのだろうと思った。

「そうだ、まずは自分に似た子たちが集まるところへ行こう」

そう思い立ちネットを調べた。

「アニメ好き (スペースキー) 普通を目指す、で検索っと」

するとあったのは、アニメ養成校だった。

「アニメ養成校か、よしまずは行ってみよう!」

そう思い立ちともかく不安もあったけど向かってみた。

「こんにちは」

「あ、こんにちは!」

挨拶をするのも久しぶりで、少し戸惑ったけど、やさしい人で安心した。

「自分、その普通になりたくて」

「普通か、面白いことを言うね、それでどんな普通が欲しいんだい?」

「そうですね、みんなの持っている普通を一つ欲しいです」

「そうかい、やはり君は独特だね」

「そうみたいです、よく言われます、でも優しさだけは持っています」

「そうかい、それなら上達は早そうだ、よしきたまえ!」

「はい!」

そうして案内されたのは、養成校の教室であった。

「ほーこれはこれは新入りかな」

「こんにちは!」

「やーやーよく来てくれたよ、そうだ君名はなんていうんだい?」

「名は宅です」

「そうか、宅か、いい名じゃないか」

「ありがとうございます、そのこれからどうすれば」

「そうだね、まずはだ、私とペアになって行動してもらう」

「わかりました」

「君は一見すると奥深い目をしているのだが、今はその目は発揮しないのか?」

「えっと?つまりどういう?」

「だから、家でいるみたいに、リラックスした状態に今すぐなれんのかな、と思ってだ」

「えっと・・・なぜわかるんです?」

「はは、すまない、なぜって君も私と似た目をしていたから、生活が想像できたんだよ」

「そうですか、では遠慮はいりませんね」

「おお、その気構えでぜひとも挑んでくれ」

「その、手っ取り早く、普通になりたいんです」

「これまたストレートだな、何私ならわからんでもない、そうだなペアになるってところまで決めたんだが、そこからだよな?」

「そういえば、ペアになるっていってましたね」

「参ったこれは、忘れていたのか?」

「そうみたいです、なぜか忘れるんですよ」

「そうか、それはきっと自己防衛本能みたなものだなきっと」

「なるほど」

「よしそれじゃ一つ理解したところで、さっそくお買い物と行こうか」

「買い物???」

「そうだ、何せ君服を買いたいそうにしていたからな」

「物欲センサーばれてましたか」

「わかるんだなー私くらいになると」

「で、どこで理解したんですか?」

「そんなの決まっている、君の締まりのない服を見るに改善の見込みがあっただけだよ」

「そうですか、案外毒舌なのですね」

「そういわんでくれ、あくまで対面的な言い回しだ」

「なんですか、そのアニメかじった身にはわかる、実は裏トークが混じっているみたいな、覚醒者みたいな発言は・・・・」

「ふふふ、なにせ私だって、三年間誰とも関さずアニメに没頭していたからな、君と同じというわけだよ」

「軽く何話見ました」

「一日10話はざらにみたから、単純計算でも一万話ほどかな」

「自分一か月で500話見る廃人なので、同じじゃないですよ、度合いが違いますよ」

「君・・・そんなに暇があったのか」

「はい・・・今日もここにくるまでにアニメを音楽感覚で使いこなしていました」

「そうか、これはまいった、まさかあれもできるのか?」

「あれとはつまり、音声同期ですか、それとも視点同期ですか?」

「あーまだまだだな、そのような造語で言い表している時点では」

「いえ、その一般教養はないに等しいです、ほぼ中卒なので」

「君の履歴を見るに中学の頃は映画を見続けていたそうじゃないか?」

「なぜ知っているんですか?」

「パソコンは便利だよ、いい買い物をした」

「パソコンで知れるんですね、ともかく見ることに関しては得意なんですが、それ以外はめっきりだめです」

「そうか、よしよし、ではだ。アニメをまず一個見てどれだけの意見文をだせるか競おうではないか?」

「いいでしょう」

そうして僕らは買い物に行くはずだったのに、気づけばアニメを見ることになっていた。続く!!!!

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