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並行異世界ストレイド  作者: 機刈二暮
[第八章]ドッペルゲンガー
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『《B》より《ホーム》へ。定時連絡』


『《ホーム》より《B》へ。感度良好。記録を開始する。―――しかし、珍しいな。お前から連絡を寄越すとは』


『たまには律義に仕事をするさ。それで、どうだ? 送ったリンクスの図面は?』


『ああ、ちゃんと受け取れてる。もちろん、全部な』


『それは良かった。……で、どうだ?』


『文字通り一機だけ造れた。システム周りはこちらのものだし、ぎこちないものだが動作している。しかし、ホントに人間が扱えるものなのか? ブースターの瞬発力というか推力というか。人の扱える範囲を逸脱しているのではないかというレポートが手元に届いたぞ』


『そりゃそうだ。―――個人的な推察だが、ブースターだけは市街地での運用は考えてないのかもな』


『…………。ともかく、この機体のフレームを参考に次期主力リンクスを開発していくことが決まった。よくやった《B》』


『それはどうも。―――で、聞きたいのはここからなんだが』


『なんだ?』


『ついこの前送った報告書の内容だ。無透明化する装置を装備した所属不明のリンクスと無音で飛ぶヘリの出現。俺は映像でしか見てないが、あれの出所の予測はできたか? 少なくとも、オルレアン技術研究所じゃ研究してても実機は出来てはない』


『ああ、その報告書は見た。そして《D》からの報告でその出所も判明している』


『それは本当か?』


『ああ。オルレアン連合、第一位国 《クナモリアル》が編成した第六騎士団が駐屯するレドニカ第一基地で、12月28日にテスト飛行した試作ヘリと外見が一致してる。この際に積み荷無しに西へ飛行していった、と』


『その後、どこかで所属不明部隊と合流して、IFF偽装なり変更なりしてフォントノアと帝国さんを襲撃したと?』


『そう思われる』


『そうだとしたら、穏やかじゃないな。何が目的で味方を巻き込むような事をするんだか』


『わからん。―――オルレアン連合―――特に《クナモリアル》と《ソルノープル法国》は報告書どおり、きな臭いな』


『じゃあ、帝国の属国になるか?』


『我が祖国が、そんな事を考えると思うか?』


『考えれねぇな。商売の為に通過するならまだしも、戦争をする為の通行は許さねぇだろうよ』


『そういうことだ。それを阻止するために、最先端の技術がいる。それを得る為に貴様たちがいる』


『わかってるよ』


『いよいよ、連中もきな臭くなってきたというのは間違いない。気をつけろよ《B》』


『ああ、そっちもな。《ホーム》』


『通信終了』


『ああ、通信終了』

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