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並行異世界ストレイド  作者: 機刈二暮
[第二章]それを止めない
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私への手向けは



 家族と、親友と、知り合いと、クラスメイトと、各部活の人と。


 そんな人達と再び出会うというのはどんな奴だって、どんな世界の人だろうと、きっと嬉しいの一言に尽きるだろう。


 僕が黒い球体に吸い込まれ、異世界に流れ着いたなら、僕と同じように元居た世界からこの世界に来た人だっているだろう。


 この世界で、元居た世界の知り合いと再会するというのは稀によくある話だという。


 でも、この世界に来た時期が人それぞれ違うらしい。


 例えば。


 Aという人がBさんとこの世界で再会したとする。元居た世界では同い年で、同時期に黒い球体に飲まれた。

 Aは当時三十歳でノーシアフォールを経てこの世界に来たが、Bさんはそれより十年早くこの世界に来ていて、年齢に差が出来ていた。


 ―――という、まるでウラシマ効果な事が起きるらしい。


 何故、時間差が出るのかは不明―――そもそも《ノーシアフォール》自体が一体なんなのか、何故発生したのかすら解らないのだから考えても無意味かもしれない。


 まあ、どれだけ時差があろうが再会というのは嬉しいものである。






 そんな前置きはさておき。






 ―――この再会は、どうなのだろうか?


 《ノーシアフォール》から異世界の物資が落ちてくる《コーアズィ》の取り合いという戦場で。


 殺しに来た人が、私の知り合いだったとしたら。


 私が奪った命がその人の友人であり恩人でもあり。


 その敵討ちを、返り討ちにされたその人が、私が原因で死にかけていたとしたら。 


 これは偶然の産物(悲劇)だろうか?


 それとも、ふざけた茶番(喜劇)だろうか?


 彼女にとってこれは、とても酷い状況で、信じたくない現実だろう。




 まあ、そんな事は今の私には関係なく。


 慣れた手つきでそれを操作し、訓練通りに実行するだけ。




 ――――――。




 ええ、そうですよ。


 恨みなさい。それが私への手向けです。



 

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