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最弱の英雄伝   作者: かぼちゃの骸
プロローグ
72/108

最初の言葉



「超正義失効」

 うさぎの突進が、俺の手のひらで止まる。しかし風圧だけで吹き飛ばされそうだ。正義失効の影を飛ばしているから、来る方向がわかったが、そうでなければ目で追うことすら出来なかった。

 超正義失効はこのうさぎとは相性がいい。もっとも、原子を飛ばして攻撃してこないのだから、熱で焼き上げたほうがいいのだろう。こいつは分子の内部エネルギー間のベクトルは掛け算でき無そうだからだ。そうでないと、相対した瞬間に、核爆発で俺が死んでしまっているはずだ。 

 超正義失効は、黒の魔法の属性を最高まで高めたものなので、不干渉、つまりは反作用で力を相殺するのでは無いので、反作用をなくされてということが無い。

 つまりは、力を消滅させる。仕組みは黒の属性を与えられた力に付与することで、その力が元に戻ろうとするのでその力に集まろうとするので、自分の力の中で循環しゼロになる。

 うさぎが消える。空気を蹴って加速したんだろう、今度こそ止められないぞ。

「白昼夢ゼロゼロ」

 夢塗のためが終わったらしいので、もう一度だけ止めてやる。しかし、今度は本当に居場所がわからないので、正義失効の場所全部を一瞬だけ、超正義失効に代える。

「準備は出来たか」

「ウサギ止めてろよ」 

「一瞬だけ止めてやる」

「つかえな」

 うさぎが突っ込んできたのが解る、やはり手は間に合わない。

「超正義失効」

 うさぎが止まる。

「おらぁ!」

 運よく、夢塗の前で止まったらしく、なんだあれは? ハンマー? 

「夢の槍!」

 槍らしい。それを虚空から出した、白昼夢とかいってたな……幻? 精神ダメージなら確かに、眠らせるように、いや、それだとなんで俺に見えてるんだ? 嫌な予感しかしないな。そもそも幻見せられた相手があんなに動くわけ無いか。

 パシンと小気味いい音がして、でっかい槍が粉砕する。

「なっくそがぁ」

 今度ははさみで切り刻もうとする。それが砕け散ると、ミサイルに戦車まで出てきたが、完全にうさぎに遊ばれている。

「うっく、くそっ、なんで、私の夢だぞ! なんで通用しねぇ!!」

 泣き出されてもな……。

「夢って?」

「話しかけんな! 私の夢を現実にしてんの、なんで効かねぇんだか考えろ」

「現実にしてるからだろ……」

 どんな威力でも基本的には効かないのだからしょうがない。

「どういうことだよ」

「手は止めるな。うさぎを楽しませとかないと不味い」

「くっそ、私を馬鹿にしやがって」

 毒づきながらも、にんじんなどを出すところは優秀ではある。

「お前の魔法の属性は何だ?」

「……使えるのは風だ」

「最強属性か、だけど、この状況じゃ使えないな」

 風が使えるのに、名前を知らないってどういうことだろうか。夢塗、夢塗、記憶を探っても聞いたことすらないだろう。複雑な家庭ということも考えられるが、多分俺の勉強不足か。

「じゃ、諦めよう。無理だ。そもそも、俺の魔力はお前にやっちまった」

「お前の魔力これっぽちかよ」

「如月家は魔法は苦手なんだ。黒魔法を使うから、大きいだけで」

「納得」

 其処で納得されると、癪に障るが、まぁ、その通りだ。俺の入学も、親は黒魔法の研究のためのモルモットだと言っていた。だから、まぁ、半年通ったら落第して家業を継ごうと思っている。俺にはダークスロベザードがいればいい。

「部屋自体の温度をウサギが燃える程度まであげることの出来、さらに自分が死んでも上がるようには出来ないか? もしくは、此処を無酸素、さっきの霧で完全に包むことは出来るか?」

「普通自分の意識がなくなったら魔法も能力も解けるだろ! いや、待て。お前さっきあのうさぎ止めてたよな。あの力で、そうだ、黒道で切っちまえねぇのか?」

「無理だ。あれは超正義失効とは仕組みが違う。属性が弱すぎる。魔力が完全にあっても、元の感情が無いから、不可能だ。あいつが親の敵とかなら別だけどな」

「あー、勝ちてぇ!」

 だから無理だって。


 ――如月さん! 早く来て!!


「何処に?」

「どうした」

 夢塗に呼ばれた気がして、聞いても反応が薄い。じゃあ、今のは誰だ? 誰かのノイズか? 

 いや、それは無い。不干渉の黒の魔法を使う俺にそんなものが……

「ダークスロベザード!?」

「うわっ、どうした?」

「ちょっと俺、抜ける。ダークスロベザードが呼んでる気がする」

「はぁ? どうやって此処から逃げるんだよ」

 そんな事関係ない。

「五月蝿い、行くと言ったら行く」

「落ち着けよ。やられても戻るんだから気にし」

「ダークスロベザードが痛い思いするんだぞ! そんな事が赦せると思ってんのか!!!」

「気持ち悪い」

「うっせ、お前もキャラ違うだろ。そういえば、俺に勝てるんだろ! 壁くらい壊して見せろよ!」

 夢塗が泣きそうになっているのに気が付いて、少し冷静になる。

 無理だ。この洞窟も魔法で作っているんだろうし、崩れるのは不味い。

「ざ、雑魚の癖に……雑魚の癖に大声出すなよ!」

 うさぎが、攻撃がやんだのを、見て、飛び込んできた。

「邪魔だぁ!」

 うさぎを殴りつける。

 そんなことよりも、ダークスロベザードはどこにいるんだ? 小粋さんが他のに負けることは無いだろう。

「お前、今……」

「ダークスロベザードは何処だ」

「ひっ」

 何を怯えている。

 夢塗は泣き出した。

「止めろ、くるなよ」

 泣き虫か。

 ダークスロベザードが泣いてるかもしれないと思う。

 ドロッとしたものが心の中に流れ出すような感覚。

 体の回りに、黒いものが包む。これは黒の魔力だ。そして俺の体に魔力が流れてくる。黒の魔力を作る事で、魔力が体に流れてくる。


 ――気を静めろ。

 そのまま膨らむかとおもったが、何かの仕掛け、これは父の声だ。すると、黒の魔法が体に流れ込んでくる。黒の魔法が、体にあった魔力と相殺して、消えていく。

 黒の魔力は他の魔法とは違う。

 しかし、それは身内びいきというか、そういうものだと思っていた。

 黒の魔力がマイナスエネルギーなのは解る。

 だが、俺は理解した。

 空間がなくともプラズマは発生する。無いという状況は、何も無いと言う訳ではない。原子であれば、プラスとマイナスの原子があり、それが同じ数だけ発生して、打ち消しあっているので、総数が0であるというものだ。

 マイナスの原子を観測できてはいないが、理論上はあるとされている。

 つまり、黒の魔法はそういうものだ。

      

 使えば使うほど、魔力が体に満ちるのも頷ける。

 いや、それだけじゃない。プラスのエネルギーなら全ては、まぁ、この世界にはプラスのエネルギーしかない。

「ど、どうした?」

 夢塗が話しかけてくる。

「さ、さっきのなんだったんだ」

「どこだ?」

「な、何が?」

「どこにいる?」

 ――この声を聞いてるとき、お前は、力の使い方を知ったんだろう。しかし、感情に身を任せてはいかん。

 すまない、今はそれどころじゃないんだ父よ。

 ――プツッ

 うさぎが立ち上がり、飛び掛ってくる。感情を外に出す、どうやら父は私に封印を施したらしく、さっきまでの力は無いが十分だ。

「黒堕堕堕堕堕堕道」

 有り余る魔力。術の名を呼べばあちらから来るこの感覚。

 うさぎは切り刻まれる。

 黒の魔力が体を蝕み、魔力を求めるが、それが無いので痛みに代わる。だが、この程度、ダークスロベザードのことを考えれば痛くもない。

「お前……なんで泣いてるんだ」

 

「ダークスロベザードのことが、そんなに大切なのか? なんで……」

「家族だ。いつも一緒だった」

「…………小粋があれを欲しがっていた。私は、弱ったお前を倒したかったからその……」

 ――封印が打ち砕かれる音。

 これが怒りか。初めての感覚かもしれない。

 小粋無職。

「俺の手を取れ」

 夢塗が手を掴んだ瞬間、俺は飛ぶ。

 ワープなんて、俺はやったこと無かったが、上手くいった。

「ねぇ、ストロ……誰?」

「よっ、小粋。うちの如月が、家族を取り戻しに来たぜ」

 誰が内のだ。まぁ、いい。ダークスロベザードが女の姿になっている。なんだこれは? 何してるんだ?

 ダークスロベザードの洋服は脱がされ……混乱してきた。

「いくら小粋さんでも、ダークスロベザードをそういうふうに扱う? のは止めていただきたい」

 小粋さんは、はだけていた自分の服を直し、信じられないことを言い出した。

「ふふ、いい所だったのに。解る? これがダークスロベザ―ドの本当の姿よ?」

「そ、そんなわけが無い!」

 ば、馬鹿な。そうだとすれば、毎晩ダークスロベザードを抱いて寝ている俺は、なんだ? 最低だ、使い魔だからって無理やり……。いや、その前に本当の姿ということは俺はこれまで、なんてことを……

「如月!? 手、手から血が出てるぞ! 手を開け!」

 最低だ……俺は生きている資格はない。ダークスロベザード……。


 ※

  

 駄目だ……。

 動きの拘束、力の剥奪、魔力も同様、その後に元の姿に戻され、服を脱がされてしまいました。くそぅ、始めに本当の姿ならこんな簡単にやられませんのに……。だがこいつ、思ってたより強いです。

「すぐ気持ちよくなるから……」

「死ね……」

「やっと喋ってくれたね」

 舌を噛み切って死んでやると思いましたが、その力さえ残されてはいませんでした。  

「ねぇ、ストロ……誰?」

 いやぁぁぁぁぁ、如月さん見ないでぇぇぇぇぇ。

 いや、如月さんはまだ大丈夫、だって私の姿はきっと知らないはずです。

「よっ、小粋。うちの如月が、家族を取り戻しに来たぜ」

 夢塗さんがなんか馴れ馴れしさが半端じゃなくなってます!? 

「いくら小粋さんでも、ダークスロベザードをそういうふうに扱う? のは止めていただきたい」

 いやぁぁぁぁぁ、ばれたぁぁぁぁぁ。愛の力が今は憎い! 

「ふふ、いい所だったのに。解る? これがダークスロベザ―ドの本当の姿よ?」

 あっぁ、勘違いですよ如月さん。そうにしか見えないかもですけど、本当に私は如月さん一筋ですから!

「そ、そんなわけが無い!」

 あれ、どうしたんでしょうか。如月さんが何か乱心しています。 

「如月!? 手、手から血が出てるぞ! 手を開け!」

 な、なんでしょうか。どうしたんですか如月さん! あっ今私喋れるんでした。

 で、でも初めての会話は、大好きとか言おうと決めていたのに、こんな大勢の前で……。

 如月さんがうなだれ、膝をつきます。

「ダークスロベザード……答えてくれ、俺のことをど、どう思っているんだ」

「だ、だだ、だいにゅきゅふぇす!!」

 あう。

「まぁ、順番はおかしくなったけど、貴方を殺して、私がストロベリーを貰うわ」

「気をつけてください! その人にキーボードを叩かれてはいけません。力を無いことにされてしまいます」

 くじけません。今のスルーは皆さんの愛だと信じて!!

「あぁ、そういう事か、死ね……」

「同じこと言うのね」

 スクリーンの情報を書き換えられます。これは不味いです、大ピンチです。如月さんは私のほうに走ってきてくださって、肩を貸していただきますがそんなことよりも速くあの人を攻撃しなきゃ。 




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