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最弱の英雄伝   作者: かぼちゃの骸
プロローグ
49/108

幽霊


「そういう事、他の人に聞くのはやめといたほうがいいですよ」 


「というか、解ってるんじゃなかったんですか? 死ぬ能力です」 

「おう、何してんだ?」

 トリガーが職員室から出てきた。手にダンボールを抱えている。

「それ何?」

「これか? Bクラスが次の授業で使う資料」

「何でお前が運んでんの?」

「俺が教室で暇そうにしてたから、頼まれたんだろ?」

 断れよ、というかBクラスの学級委員長はどうした、とか色々言いたいことはあったが、そういう事を言うと手伝わされるかもしれないのでやめた。

「職員室になんか様だったのか?」

「いや、ちょっと迷った」

「ふうん、俺結構詳しくなってるから案内してやるよ」

「お、おう、なんか優しいな」

 

 別に普通だろというトリガーに、なんか手伝わなきゃいけない気がして、半分持つとダンボールを受け取った。   

「ん?」

 いつの間にか田崎が居ない、役目はおわったと帰ったのかと思って聞くと、トリガーは俺が来たときには居なかったろと言うので首をかしげる。

 耳元で小さな声が聞こえた。

「人に、ぎっちゃん以外の男と一緒に居るのを見られたくないんですよ。人は死ぬと何になる?」

「幽霊」

「つまり私は?」

「幽霊?」


「どうした?」

 トリガーに聞かれたのでなんでもないと言って歩き出した。見えない、触れない、の本格的な幽霊なんですと声がどこかからするが、俺は幽霊と話す趣味はないと、今度はトリガーには聞こえない声で返した。


 角を何度も曲がって、階段を四つ上り、訳解らなくなったところでやっと目的に付いた。その間にトリガーに聞いたのは、廊下においてある物は不定期に変わるらしい事だ、あと廊下もちょいちょい増えたり減ったりするのだそうだ。

「俺じゃなくても、迷うやつ居るだろ」

「いや、ほとんどのやつは能力者だからな、みんな何とかなるんだろう」

 あぁ、みんな瞬間移動とかしそうと思い、そうだなと頷く。


「そうそう、お前どうやって受かったんだよ」 

 トリガーが教室の中に入ってダンボールをおきながら言う、俺も隣に置きながら答えた。

「どうって、あれだよ、填最にあってなんか成り行きで」

 あぁ、填最があれ作ったらしいよなと言う。


「他のやつはどうやって受かったんだろ、だってあれぶっちゃけ、総合クラスのみんなじゃ正攻法じゃ、雑魚子以外は、知っててもまず出れないだろ」

「お前はどうなんだよ」

「俺か? 俺はあれだよ、他のやつに頼んで一緒に出てきたんだよ」

「じゃあ、みんなそうなんじゃねぇの?」

 そっか、いこうぜといって教室を出て行く、俺の部屋までく案内してくれるらしい。

「そういえば、教室来たほうがいいぜ、なんか色々イベントがあるし、知らないままだと退学になる可能性も高い」


 解ったと言うと、ここだろといってドアを指差す。意外と近かったらしい。 


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