限界
「だーーーーー無理だーーーーくそいてぇぇぇぇぇぇ。」
「ひゃう」
目の前に現れた、、、、雑魚い感じの女の子が悲鳴?をあげる。
いや、俺が目の前に現れたのか。
「あ、黒独君。バッチ取れました? って言うか隈すごいですね。
蟹吉さんがぼやいてましたよ、なんか一晩中隣の部屋から、念仏みたいな声が聞こえて眠れないって。」
おぉ、体が元に戻っている。
ほんとここは常識を凌駕すると思う。
「うん、大丈夫ですよ。もう慣れました、どうせ私の言葉なんて聞いてませんよね。」
「いや、聞いてるぞ。蟹吉にはもう壁蹴るなっていっておけ。」
ジトッとした目で見られる。
「そんなことより、どうしてここに居るんだ? 」
「あぁ、黒独君を一応待ってたんだけど。」
俺を?
「いや、この前、黒独君が男の人倒しましたよね。
あの魔道書持った人、虫の息って言うか、黒独君を倒した後、動かなくなったんで
私がとどめさしたんですよ。だけど、私がなんか横取りしたみたいだし、
もしも、黒独君がバッチ取れてないんだったら、返そうかとも思って。
私はどうせ、Aクラスにいるお兄ちゃんに土下座すれば何とかなりますし。」
遠くを見る雑魚。
しかし、こいつそんな事してたのか、気付かなかった。
「というか、何でとどめさした? 」
「はい? 岩でこう、頭を。」
岩を投げ下ろすジェスチャーをする。
「おぅ。」
「えっ、なんで引いてるんですか? 」
いや、こいつ頭潰したのか。
見かけによらず、ぐろいな。
「いや、別に、俺も一応バッチ取れたし、いいよ。」
「何で、距離とるんですか。」
無意識で距離をとっていたらしい。
ん?
「お前の兄ちゃんってAクラスなのか。」
「えっ、あぁ、はい。」
「結構頻繁に連絡とってイタッたりすんの? 」
「はい。って言うか大丈夫ですか? いま野球ボール飛んできて頭にぶつかりましたけど。」
「お前と俺は友達だな? 」
「なんか怖くなってきたんですけど…。」
「あるところに、病気の女の子が居てだな…
「ふぇ? な、なんですか、何が始まったんですか。」
よし、雑魚を説得した俺は、槙最を俺の部屋に呼んで、雑魚と会わせる。
というか俺要らないよな。
一週間準備して、今日の戦闘に備えたってのに、Bクラスにはあえないし、
十枚集めようと思ったのにな。
「マジでお前の所為で寝不足だわーーー。」
なぜか蟹吉も俺の部屋に入ってきた。さっきから俺をゲシゲシ蹴ってくる。
トリガーも入ってきた、お前ら暇か。
「なぁ、この藁人形の山なんだよ。」
トリガーがダンボールに入れておいた藁人形の失敗作を指差す。
「うるせーな、俺は寝るんだ。」
布団の中にもぐりこむ。
「ていっ」
重い。誰だのって来た奴は。
確認すると、知らない顔だった。
「誰だよ。」
「あれ、何でマジの顔なんですか? 私ですよ、淑やかですよ。」
「は? 」
「うわーーーん。」
駆け出していった。
マジで誰だあいつ。
槙最が横で倒れたのが見えた。