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最弱の英雄伝   作者: かぼちゃの骸
プロローグ
45/108

緋色再び

「なんかパペットプラント、消滅した。」

 確か翠でいいはず、が動揺し始めた。

 表情からはそうは見えないが、手をパタパタせわしなく動かしているのでそうなのだろう。

  

「あ、私の杖がなぜか折れました…。」

 サキも折れた木の棒を見つめて呟く。


 俺はここに来てやっと合点がいった、ここに来る前に使った呪いは10を超える、

不幸時間はまだ、あと20分は残っているはずなのだ。

 それがここに来て運よく、知り合いにぶつかるはずも無い。

 きっとさっきの若返り? のようなものでどっかの因果に異変が生じるとかで、

不幸時間が先送りされていたんだろう。


 周りを囲んでいた木々が倒れ始める。

 切られているのだ、何かに。

「あのー、もしかして不幸時間ってまだ残ってるって言うかー。」

 サキが言いよどむ、現実を受け入れたくないのだろう。


「多分ここからが本番なんじゃないか。」

 現実を突きつけてやる。こういうことはきっぱりと言っておいたほうがいい。


「え、何? なに? 」


 一人、クッキーのかすが口の周りについている翠だけが置いていかれている。


「虚空懺悔遠近滅殺剣! 」

 聴いたことのあるような掛け声が聞こえるとともに、サキに剣が突き刺さっていた。

 剣を持った奴は見当たらない、剣先だけが他の空間から顔を出したかのように突き出ていて、

サキの腹を突き刺していた。


「うっぁ。」

 声にならないうめき声を上げる。


「やばいー、この死ぬって感覚、トラウマになるかも。

翠さん、翠さんこれやばい。」

「サキぃぃ、敵はとる、敵はとるよぉ。」


 翠がサキに駆け寄る。

「ザラ、ギガスラード、黒煙の獅子。」


 サキは森の中の一転を見つめて呟く。

 すると、その見つめた先で爆発音が三度聞こえた。

「翠さん私はもう、ダメ…。」

 ぽんと小気味いい音を立てて、サキは消えた。


「あの、ごめんなさい。俺の所為で…。」

 翠に声を掛ける。


「大丈夫、先を起こらせた相手は今頃消し炭だから。サキの目は魔力を見れるんだけど、

相手の魔力を見てその中で、魔法陣になってるところを見つけ出し、それの名前を呼ぶことで魔法を発動する、

自分の魔力では無く、相手からにじみ出る魔力を使う且つ、魔方陣が相手の周りで生成されることで、

普通じゃありえないえげつない至近距離で、魔法を食らうことになるから。」


 グッとガッツポーズをしながら説明する、どうやらさっきまでのは芝居と言うかノリだったらしい。


「なかなかいい攻撃だったことは認めよう。腕が爆風でありえない方向に曲がった時はヒヤッとした。」

 すすだらけになっている騎士が森の中から現れる。

 

「久しぶりだな、お前だったのか、しかし私は知り合いだからといって手加減はしない。」

「あの爆発の中で、無傷…。」


 翠が驚愕の声を上げる。

 それを聞くと緋色は嬉しそうに、

「そうだろう、私は日々成長している! 実は私も知らなかったのだが、私の能力は剣を作り鎧を作る能力、

しかし、正確にはどんな剣、どんな鎧も作り出せる能力だったのだ! 」


 むふーと、満足げに言った。


「見せてやろう、四次元空間を切り裂き、切れないものは無い、怖されることも伏せがれることも、

神でさえ切り裂く虚空懺悔遠近滅殺剣!! 」


 そう言うと緋色の足元から剣が人たち神々しい光を発しながら現れる。

「なんだろう、すごい中二くさい。」


 翠もそう思ったらしく首を縦に振って私もそう思った、と言った。

  

「えっ、待ってその反応おかしい。四次元空間ですら切り裂くんだよ、私も自分で言っててかっこいいから

叫んだだけなんだけど、相手が離れてても届くんだよ? しかも切れないものは無い!

切ろうと思えば地球真っ二つだって言うのに、その反応は無い! 」

「危ないからしまいなさい。」

 切ろうと思えば地球がのところで翠が後輩を叱り付けた。


「待て、私、かなり強いんだぞ。偉いんだけど、もう私を怒らせたな。」

 そういって剣が緋色の手から消える。


「光速の残像、我に残されし、一末の光よ、光雷真空剣!! 」


 しまいなさいと言うところに従ったのだろうか、新しい剣を出す。

 っていうか中二なのしかないのか。


「私に時間を与えすぎた。私だってCクラスたる所以を見せてあげよう。」

 翠がそう言うとほぼ同時に翠の頭からなんか木が生えてきた。


「は? 」

 俺は意味が解らないと言うかもう付いていけてない。


「召還! 新緑王。」


 ちっさい人形見たいなのが翠の頭から収穫された。

「我は新緑王だー。」

 翠が裏声を使ってなんか言ってる、腹話術をしたいのだろうが口が動いている。


「うわっ。」

 緋色の周りの草がものすごい勢いで伸びて自由を奪う。

 よく解らないがもういい。


 いいぞ! 何とかなりそうだ!


 思考をやめた俺をよそに、 

「新緑王の怒り。」

 とまた裏声で翠が言うと、巨大な木が緋色を飲み込むように成長し、飲み込んだ。


 しかしその木が炸裂し、緋色がハアハア言いながら、

「危ない、窒息するところだった、ちなみに今のは力が一万億倍になる鎧を造った。」

と言った。

 一万億倍って何倍だよ…。


「なかなかやるな、しかし、これでどうだ!お前たち二人が振るとやられる剣! 」


 そう言うとでてくる剣。

 そして剣が振られるとともに俺の体も切れていく。







「身も蓋もねぇ!!!!!!!!!!!! 」


 ついに俺が突っ込むと同時に、俺は教室にいた。



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