条件
「…無理だ。」
俺はなぜか図書館で俺を待っていた月と一緒に職員室の前に来ていた。
こいつは話し方が俺にあまり情報を与えないので、よく解らないのだが、とにかく
俺が毎日図書館に来ていると解ったらしい。
俺は心を覗いた時に何かしらの情報を、、、
と思っているのだが、心の中のどこまで覗いたのかと聞くと、裸エプロンと言うので
深く聞けないでいる。
職員室の前に張り出された条件とやらを見る。
Aクラス、私に勝つ。人数無制限、バッチは10枚進呈。早川
Bクラス、30体のゴーレムの破壊、能力なし、三十分以内。暘谷
もしくは私を感動させる芸術を作ること。
Cクラス、剣道、能力禁止、打突部位に当てればよい。負けた場合、
剣道サークルに入ること。週4日、3時間づつの練習。募集!! 篠
Dクラス、全ての廊下を磨く、24時間以内、チェックは厳。能力の使用は禁止。
Eクラス、ボードゲームで私に勝つ。教頭。
とりあえずBクラス以上は無い。
BよりAの方が難しいだろう。
ゴーレムというのがどんなものかは解らないが、そんなものに勝てるわけが無い。
というより誰でも無理じゃないか?
だってこれ能力なしって書かれてるし。
まぁ、狙うならEクラスか。
将棋は金属さんとやった事あるし。
勝った事ないけど。
無理って事は無いだろう。
手加減もしてくれるはずだ。
「おーい。黒独、そして月ちゃん。」
トリガーが寄ってくる。
しかし、俺は思うんだが、総合クラス奴以外にほとんど会わないな。
まぁ、今の時間、他のクラスの奴は授業だし当たり前か。
「ちょっと、教頭先生の奴と、ゴーレムはやってきたぜ。」
「へーどうだった? 」
どんな物なのか聞いて置きたい。
「今度の土曜があれらしいし、頑張ろうな! 」
?話がかみ合わない。とりあえずあれとはバッチ争奪戦だろう。
だけど俺たちには分が悪すぎるはずだ。
「…どうだったの?」
トリガーはためいきをついて、
「…教頭とまず双六をやったんだ。」
と言った。
ほう、なかなか頭いいじゃないか。
それなら、教頭がどんなに頭が良かろうと関係ないはずだ。
逆もしかり、こいつがどんなに馬鹿でも関係ない。
「あいつ6しかださねぇ。 めちゃくちゃ運がいいんだ。
きっとそういう能力だと思う。」
「…チート。」
「それで次は、将棋やったんだ。」
まぁ、将棋なら運は関係ないし。
だが、表情からするに勝てなかったのか。
「三回やって、三回目は八枚落ちで負けた。」
「おい、待て。 八枚落ちってなんだ。
それ、絶対勝てないか?」
「俺もそう思ってたけど無理なんだ。多分能力だと思う。」
信じられないな。ってか完膚なきまで叩きのめすタイプか。
それにしても八枚落ちって、確か歩と金と王しかないはずなのに。
「ゴーレムもいったんだろ、どうだった。」
「いや普通に化け物だった。一体でも倒せるわけない。
それで言われたよ、先生からバッチを貰うより、土曜に頑張ったほうが
100倍は勝ち目があるって。」
なんとなくみんなで教室に戻った。
槙最がいた。今日も金髪がウザイ。
「くそっ!!! 」
三人ともびくっとなった。
「どうした? 」
トリガーが聞いた。
「あぁ、いたのか。早川と戦ってきた。くそ、俺様はまだ負けてないってのにここに戻された。」
話がよく解らない。
それほど興味も無いしいいのだが。
「あぁ、ライフゲームだっけ、校長にも会ったのか。
つうか、死ぬダメージを与えられたら、ここに飛ばされるんだろ。」
「心が折れるまで負けじゃねぇんだよ。」
槙最が俺のもっている本を見て言う。
「お前、魔法とか詳しいのか? 」
「いや、全然。」
「そういえばお前、ラッキーボーイだったな。」
貸せ、といって俺が、図書館で借りてきた本を取られる。
そして、パラパラとページをめくる。
「はっ、俺には必要ないな。」
そういって、俺に本を返す。
こいつ、本とか読めない奴なんだな。
「よし、俺は後悔もするし反省もする。」
普通だな。
「そこでだ。あの魔法って奴の弱点とはいかなくても、
性質ぐらいは知っておきたい。」
意外と堅実だ。
もっと力押しというか、突っ込んでいくタイプだと思っていた。
「話は聞きました。 そういうことなら私に! 」
教室にバーンと入ってくる雑魚、じゃなかった宿女。
「五月蝿い。」
槙最がそういうと雑魚が消える。
「というか聞きたいんだが、」
トリガーが口を開く。
「お前のあれって空間を作れるって奴だよな。
どうやって戦うんだ。なんか、その空間を作るといい事あるのか?」
少しの間のあと、
「決まってるだろ、インファイトだ!!」
えぇー。
「まぁいいだろ。別に教えてやってもいいけどさ、俺に何の得があんだよ。」
俺が言う。
「あるさ、俺様はバッチはほとんどいらん。
確かに、Aクラス、Sクラスに入ったほうが都合はいいが取り合えずは総合クラスでも
問題ない。だから、くれてやってもいいぜ。」
「いや、お前何でそんなに自信あんだよ。
相手は能力者だぞ。」
トリガーが突っ込む
「はっ、俺様だって能力者だ。条件が同じなら負けはねぇ!! 」
「…くれたら話せばいい。」
月がそう言う。
まぁおれも今から勉強するんだし、それでいいか。
「バッチくれたら教えてやる。」
「いいだろう。」
そういって、はーはっはと高笑いしながら去っていった。
ちなみに、こいつが俺にバッチをくれる事は無い。