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最弱の英雄伝   作者: かぼちゃの骸
プロローグ
39/108

金属さん

 部屋に戻って、魔術師ロンドゲルトの冒険の4巻を読んだ後、

黒独家、秘密回線にかけた。


 秘密回線といっても俺が買ってやった子供ケータイという奴だ。


「ヘロー、どうもどうも。こちら秘密回線ですよ。」

 暗記している番号に電話をかける。

 電話帳に登録すると、どうしても情報が漏れる可能性があったからだ。

 それにしてもいつもノリノリだなこの人は。


 俺が掛けた相手は銅 銀、あかがねぎんさんだ。

 みなからは親しみをこめて、金属さんといわれている。

「どこにいる? 」

 しかし、この電話では名前を言わない約束だ。


 どこで誰が聞いているかも解らない。

「掃除中ですよ。自宅です。

どうですか、学校生活は、おうかりになったんですよね。」

 彼女は、二十年間黒独家で働いているベテランの家政婦さんだ。

 たしか彼女もセバスチャンの姓をいちよう、持っているのだそうだ。


 彼女は俺に同情して力を貸してくれている。

 ここまで全力の同情なら、全く迷惑じゃない。

 ここの試験を受けるための手続きもこっそり行ってくれた。


「受かった。」

「あぁ、よかったですねぇ、私は信じてましたよ。

難しい言葉を小さい時からよくご存知でしたし。

わざわざ連絡などいただく無くとも信じてましたとも。えぇ。」


 どこか抜けている節があるので、壷や、料理を駄目にしてしまうこと

もすくなくはないのだが、腰が低いのでひどく怒られているのを見たことが無い。


「ちょっと頼みがある。」


「お任せくださいっ。」


 いたずらを企む子供のような声になる。

 彼女は、ノーマルだが、掃除好き、料理が出来る、出来た家政婦。

 しかし、冒険、危険が大好きなのだ。

 黒独家の家政婦を自ら志願するほどに。


「出来るだけ、藁と釘と真水を送ってくれ。俺の部屋に腐るほどあったはずだから。」

「解りました、ばれない様に且つ、スタイリッシュに、ふっふ、すいません楽しくなっちゃって。」


 本当に俺に同情して力を貸してくれているのかと、疑ってしまう時がある。

 そんな俺の懸念を読み取ったのか、

「あ、いえ、真面目ですよ。私は。」

 と、金属さんは取り繕う。


「出来たら、檜の板も頼む。」

「解りました。あ、あと其処の学園って外に出れないらしいですから、

お菓子とかも入れておきます。それでは。」


「いつ 

「あ、最後にいいですか?Good Lack。」


 いつもありがとう、という暇も無く切られた。

 とてもいい発音とともに電話が切れる。

 そういえば、ここってスーパーみたいな所(言ったことは無い)と、

学食しか、食い物が手に入るところは無いらしい。

 

 ちなみに金はなぜか支給される(ここがよく解らない)が助かってはいる。

 

 学食では無料で飯が食えるのだが、ジュースとかは買うからだ。


 そういえば、お手軽な感じで了解したが、俺が言ったものを手に入れるのは

かなり難易度の高いミッションだ思う。

 藁も釘も普通のものじゃないからだ。


 いつもはぼんやりしてるくせに、一年先まで予約しないと手に入らない

キャラメルとか、人気ユニットのコンサートチケット、しかも一番いい席

を取ってきたりと、底知れないところがある。


 信頼はしている、ノーマルだし。


 さて明日のために寝よう、明日は図書館に行って魔法使い、能力者

の本を念のため借りて、、あと職員室に行ってみよう。


 そうだな、鬼が戻ってくるまでは折角だからここにお世話になる事にしよう。

 そのためにもバッチ集めをしとくべきか。


 俺はまだ知らなかった。

 道具も暇な時間をもてあまして、藁人形とかつくろう位にしか思ってなかった。

 


 この学園の入学者で2年に上がれるのは三分の一にも満たず、

3年生に関しては伝説と呼ばれていることに。

 


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