俺様世界!!!!!
「俺様世界!」
槙最が叫ぶと世界が変わる。
真っ白の床で、空すら白くどこまでも広い空間。
「説明してやろう。俺様の能力は、天上天下と俺様世界。
まぁ天上天下は下の空間をコピーして、好き勝手暴れられる。
俺様世界は一から空間を作って大暴れするって能力だ!
さぁ、予備知識はこのくらいでいいだろう? かかってこいよ!」
腰から木刀を引き抜く。
あんなものを入れて生活してるのか。
「…すごい。」
「すげぇ。」
「なんだよこれ。」
教室にだらだら残っていた俺、月、トリガーが感嘆の声を上げる。
これ凄いな、
「あ、え、えっと、う、うう、説明させてください。」
だだっ広い世界の真ん中で円になって話を聞く体制になった。
「俺様はお前の全力と戦いたいんだが、、、作戦会議なら出ていようか? 」
「あ、いてください。すいません。」
「えーと、何人にかは話したんですけど私魔方陣が書けなくて、
あ、魔法言語は出来るんで魔法自体は使えます。
しかも宿女一族ですから、最強クラスです。」
「魔法使え無いって言ってなかったっけ。」
トリガーが突っ込みを入れる。
そうだ、こいつはハンバーガー事件の時確かに使えないと言っていた。
「あ、いや、使えるんですけど、あの状況じゃ使えないって言うか…。
えっと魔法って言うのは基本魔方陣で成り立っています。
それを言語で補助するんですけど、私はその補助だけでやるしかないんですけど。
すっごく時間がかかって…。」
槙最が手を叩く。
「よし解った。待ってやる。
これでいいんだろ? 」
「あーはい。それでいいですけど。」
大体、二メートルくらい離れた二人。
しかし、長い。
さっきから雑魚がずっと呪文を唱えている。
かれこれ10分はたった。
力強く右手を前に突き出し、
「いきます! レベル2、補助呪文なし、連結削除、
属性魔法、ライトニングライトクロバァー。」
右手の前に円が見えたと思うと、四つの雷が槙最の方へ飛ぶ。
槙最は後ろに飛ぶ。
ひとつの雷が槙最の立っていた所を焦がす。
「はぁ! 流石だぜ。
だが、この俺様を捕らえられるほど、ビックじゃ無いな! 」
木刀を地面に突き刺し、バクテンする。
そして、突き刺した木刀の柄に着地し大きく跳ぶ。
雷が槙最の下を通り過ぎる、
「さぁ、こんなもんじゃねぇだろ! 」
両手を大きく広げ、催促する。
少しの間のあと、
「あう、終わりです。」
「は? おいこれが全力かよ。」
「あう、いや避けられると思ってなくて。
凄い身体能力ですね。」
風景が元に戻る。
なかなかに迫力はあったが、これは…。
「うぅ、何でこんな事になったんですか!! 」
いやそれは、完全に巻き込まれた俺たちが言いたい。
「なぁ、俺が言うのもなんなんだけどさ。」
トリガーが口を開く。
「これあれじゃねぇの。俺たちが時間稼いで、宿女が魔法打つって事なんじゃないか。」
「あ、そうです。それが言いたかったんです! 」
初めからそういって欲しい。
ぐいぐいと袖を引かれる。
月が眼を見ろとアピールして来る。
「…裸エプロン。」
こいつ…。
眼を見てやる。
(ねぇ、わたしさ、魔法の授業もいろいろ出てたんだけど…。)
なんだよ、そんなことしてたのか暇人だな。
(十分くらいでレベル2って、みんなレベル5まで、一瞬で出してたんだけど。)
「レベルってなんだ。」
「はい? あっレベルって言うのはその名のとおり魔法の強さですよ。」
宿女が答える。別にこいつに来たわけではないんだけどな。
(しかもそこ、Dクラスなんだよね。)
それって多くともEクラスにしか勝てないって事か。
相殺されてしまうだろう。
「宿女さん、
「あっ琴葉とか琴ちゃんでいいですよ。」
「じゃぁ琴はレベル5ならどのくらいの時間で出せるんだ? 」
少しいいづらそうにした後、
「さ、三十分くらい…。」
「…解散だな。」
ぶっちゃけ、無理だろ。
「あぁー待ってください。お願いです、退学はまずいんです。
家のしがらみとか、あぁ、私要らない子から面汚しになっちゃいますよ。
私のレベル2はレベル8くらいの力があるんですってば。」
いや、知らんし。
(少し冷たくない? )
「おい。」
宿女を呼ぶ。
そして月を突きつけて眼を見させた。
「…そんなに気にすること無い。」
「あれ、月さんの声が聞こえる。」
よし、逃げよう。