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最弱の英雄伝   作者: かぼちゃの骸
プロローグ
29/108

校則

校則12条、

 許可無くこの学園を出ることは出来ない。


 校則18条、

 教室でサッカーをしてはならない。


 校則32条

 理科準備室またはそれに順ずる実験室などでクリケットをしてはならない。



 

 床が固い、前もこんなことを思った気がする。

 デジャビュだが、デジャブだか知らないが、いい気分ではない。


        

          ―――おきて――― 


 ――――黒独君、起きて―――


 あぁ、これはあれだな、別に瀕死の状況じゃないけど

新たな力を得る時に出て来る謎の天の声だな。

 いや、そんな訳無い、絶対無い、無いよな?

 ここで新たな力とか目覚めたら、もろもろ顔向けできねぇよ。

  

「やぁめろぉぉぉ!! 」

 どうやら俺は眠っていたらしい、昨日はあのまま教室で眠ったんだった。

 今気付いたが、謎の天の声は月だ、夢の中で直接心に話しかけていたんだろう。

 起きたら月がこっちを見ている。


「おはよう。お前のせいで最悪の目覚めだ。」


(なっ、せっかく起こしてあげたのに…。)


「う、うるせぇ。黒独、なんだよ。」

 さっきの俺の声で起こしてしまったらしい、隣で寝ていたクラスメイト

が不満を漏らしながらも体を起こす。

 彼の名前は、トリガー、もちろんあだ名だ。

 しかし俺は勝手に人にあだ名を付けて名前は忘れるタイプなので、

トリガーとしか解らない。

 彼はあの時、道を教えてくれたちょんまげ野郎だが、

話してみると何の変哲も無い話し方だった、みんなから突っ込まれてはいたが、

髪形を変えるつもりも、語尾にござるを付ける気も無いらしい。

(彼は佐藤君だよ…。ちゃんと覚えようよ。)


 みんな、騙されてはいけない、月もトリガーの下の名前は覚えていない

に違いない。

(…。) 

 ほらやっぱり!

 

「おい、なんか言え、見つめ合ってんじゃねぇよ。」

 トリガーがつついてくる。

 

「トリガー、違うんだ。俺は今日、すごい悪夢を見せられた。」

 よく解らんと言って、教室の外に行ってしまった。

 もう少し話を聞いてくれてもいいと思う。


 まぁ、トイレかなんかだろう。

 教室を見渡す、月、酒市さん、バード、姫井さん、あと、槙最

ほかの奴は名前など知らん。 

 まぁ、そんなことで教室には8人の人間がいる。


 

 なぜ、俺は教室で寝ていたのか、その疑問は在ると思う。

 話は昨日に戻る。


「寝ろってどういうことだ? 」

 俺は先生が去った後、一人つぶやいたんだ。


 そしたら答えが返ってきた。

「えっと、まぁ総合クラスだからね。布団はあるみたいだし

あれで寝るんじゃないかと思います。」


 さっき前で爆笑していた奴だ。

 髪の毛が頭をなでられた後みたいにワシャワシャってなっている。

 俺は別に話しかけたわけではないのだけれど、まぁいいか。

「もう今日は帰っていいのか? 」


 首を傾げられる。

「知らないの? 」

「何を? 」

 ワシャワシャが自分のバックをあさりだしたと思ったら、

ある冊子を取り出して見せられる。


「ここに校則が書いてあるんだけど、、、

もしかして、知らなかったりしました? 」


 そこには校外に出ることを禁じると書いてあった。

 ほかにもたくさんあったが、目が痛くなりそうなので読むのはやめた。

「よほどのことが無い限り、ここから出られませんよ。

卒業しないと。まぁ、退学になってもでられますけどね。」    

  

「…。」


「あれ、ほんとに知らなかったんですか? じゃあ

今日の試験のこととかも? あともしもしもしかしてですけど、

枕とか生活必需品とかは…。」


「…。」


 いや、用意なんて何もしてきてないぞ。

 そんなこと聞いてない。

「あの、これ…、眠れないのは可愛そうですから…、どうぞ。」


 熊のぬいぐるみを差し出される。

 何だろうと呆然としていると。

「あ、私はウサギさんのぬいぐるみも持ってきてるので大丈夫です。

夜は寂しいですもんね。どうぞ使ってやってください。」


「いや、いらないけど。」


「えぇ! 」   

 いや、そんなに驚かれても。

 いらないんだけど。


「大人ですね、尊敬します。」


 尊敬された。うれしくない。

 見せてくれた冊子を見ると、いろいろと知らなかったところが見付かった。


 なるほど、クラス分けがまずある訳か、

 簡単に上からS、A、B、C、Dまであるわけか、

そしてそのいくつかにも入らないものを総合ランクと言うらしい。


 そして4ヶ月に一度、定期試験があってそれに合格しないと退学。

これはなかなか厳しいな。

 筆記ではなく実施試験と書いてあるのでなおさらにきつい。

 まぁ、卒業できる生徒は毎年3人程度と聞いていたので

驚きはしない。


「おし、とりあえずクラス委員を決めようぜ。」

 あ、さっき道を聞いた、ちょんまげが立ち上がった。


 みんながちょんまげに注目する。

「えっ、」

 誰かが不満そうな声を漏らす。


 少しの静寂の後。


「おし、とりあえずクラス委員から決めるでござるよ。」


 言い直したーーー。

 空気読むんだーーー。

 空気とか読めなさそうな髪型してるくせに。


 こうしてクラス委員を決めることになった。


 ちょんまげが委員長、副委員長、書記、会計になった。



   

 

 

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