初めての授業
「さぁ、みんな今回も斉藤先生から始まります。」
だだっ広い教室でこの総合ーAクラス総勢12名、
驚く事に欠席は一人しかいない。
明らかに60人は入る教室である。
「今日から担任の斉藤です。
先生はよくタバコを吸いそうといわれるが、
だからといって、タバコをプレゼントされても困る。
先生はタバコを押し付けられるのは好きだが、
体の悪そうなので吸った事もないからな。」
先生のどうでもいい自己紹介から授業は始まった。
選択制ではなかったのかと思ったのだが、あれは一部の先生
の悪ふざけ、もとい教頭先生と校長先生の悪ふざけらしい。
これに気付かず、授業を続けていたのは、早川だけだからと爆笑し始めた。
開始5分もたっていないんだが、この先生はもう目も当てられない。
いくらなんでも浮きすぎだ。
俺は初め前のほうに座ったのだが、月が隣に座ってきたので、
一番後ろの窓際に移動した。
別に隣に座ってもいいが、少し椅子と椅子の距離が近かったのだ。
なんか月がこっち向いてニヤニヤしてるので、ムカつく。
絶対何か誤解しているに違いない。
別に俺は恥ずかしかったわけじゃないっての。
何も言ってこないのもムカつく。
マジ、ニヤつくの辞めろ!!
あとなぜか丁度、前の席に座った女の子が斉藤先生の話がつぼにはまったらしく、
ずっと笑いをこらえているのも気になってしょうがない。
「ふふっはぁ、た、助けて、はぁ。」
さっきから小声で、こんな感じの事を顔を真っ赤にしながらずっと言ってくる。
俺にどうしろというのか、
そんな感じで、俺の前のやつ以外がどうすんだよ、みたいな空気で
早くも一致団結しようとしていた。
「俺様、参上!! 」
この登場の仕方は普段うざがられるが、この時だけはよくやった!
と誰もが思った事だろう。
「まさか、あの後ワンバトル繰り広げる事になるとは思わなかったぜ。
待たせたな! 俺様が槙最だ! 」
誰もお前のことなんか話してないが、今だけはナイスだ。
「おう、天才か、なかなか面白いやつだな。
よし、とりあえず座れ。俺の学生時代の話を語ってやるから。」
なぜか俺の近くに座る槙最。
お前みたいなやつは前座るのがセオリーだろ、
なんでこっちくんだよ。
「さて、まじめな話をすると、お前らの授業はまだ決まってない。
お前らは、何の授業をしたらいいのか分からない13人だ。
大体は前例が無い能力か、どうしようもない能力か、
さっきの槙最みたいな嫌われ者か、どうしようもない能力だ。
あと、黒独と暗闇は先生ばれたけどがんばってこのクラスに入れた。」
暗闇ってのは月の苗字だ。
相手の考えてる事が少しだけ分かってしまう
月の能力でそのぐらいは把握している。
「そこで今日の授業なんだが、暗くなってきたし、明日
何するかとクラス委員を決めて寝ろ。」
寝ろ?