天上天下
誰だ? まぁどうでもいい、勘のいいやつがいたとしても可笑しくないし、
俺の能力に気づいたんだろう。
男と女の二人組みだ、
俺様はほかの奴の力なんて知らないが、そんなのがあっても可笑しくない、
だが、俺様までたどり着いたことは賞賛に値する。
「ん? 俺様を見つけるとは、スーパーラッキーボーイとガールだな、
まさか俺様の作った空間だと気づいたのか。」
探りを入れる、まぁ相手が簡単に手の内を見せるはずは無い、
俺様ぐらいビックなら別だが。
「おい、お前! こいつの目を見ろ!」
なんだ? まぁいい、いざとなればあれがある、見てやるよ。
ふむ、女のほうは、なかなかかわいい顔をしている、タイプではないな、
もっと純粋そうな奴で無いと俺様にふさわしくない。
女のほうが、いきなり苦しみだす。
俺は何もしていないのだが、よく解らない。
「ど、どうした。」
男のほうも戸惑っているようだ、そして抱き合いだしたな…、
めんどくさい、このまま俺だけ戻ってもいいのだが、逃げたなどと思われるのは
心外だ。
「わかった、無理無理言うの俺が無理になる前にやめてくれ。」
何なんだこいつらは? 今度は男のほうが変なことを言い出したな…。
「何だお前、独り言か?、俺様は損な小さなことで人を評価はしないが
少し控えたほうがいい。」
まぁいい。
「まぁ、ラッキーボーイあんどガールに敬意を表そうじゃないか、
俺様にエンカウントしたという幸運を!! 」
さぁ、俺様の力をとくと見ろ!
この能力の名は、天上天下! まぁ恥ずかしいから声に出したりしないけどな。
「 おう、やっと戻ってきたんかー。」
元の空間に戻った瞬間後ろから殴られる、ちっなんだ?俺様の空間から抜け出すなど不可能なはず。
「これは無駄に授業させた分ー。」
「うがっ。」
2発目を顔面に食らう、こいつ背丈からして教員か、それなら納得だ、戻してやったからな。
「これは私が後輩よりも後に気づいたからって馬鹿にされた分ー。」
何のことかわからないが黙って殴られるほどお人よしじゃない、右手でパンチを受け止める、
そして無言で打ってきた左のパンチも受け止める。
「はっその程度、受けられないとでも? 」
「馬鹿にされた分はまだ返してない。あー。」
女が口をあけると舌に大きく記号が書かれている、
「早川先生! それはだめです! 」
ほかの教員が叫ぶ。
これはやばい奴か、そしてこいつはやめるそぶりは無い、
舌に小さく火花が散っている。
「君、逃げなさい! 早川先生の魔砲は喰らったら死ぬぞ! 」
本気か、まずいな、空間をといて再構築だ、さすがに一気に二つの空間は俺様でも作れない。
「くらえぇぇぇ。」
時間が無い、この職員室をパクってこいつだけそこに落とし込む。
周りには早川先生だけが消えたように見えただろう。
「ちょろいな、百年早いわ。」
「何だと? 」
早川先生に後ろから殴られ、俺はダウンした。
「種がわかれば簡単だ、ここに魔法で移動すれば問題は無い。
お前の能力など簡単にやぶれるんだよ。」
「いや、早川さん、決めてるところあれなんですけど、これはまずいですって。
一応生徒ですし、能力の使用自体は違反でもないんですよ、怒られますよ? 」
「起きろぉぉぉ、金髪ぅぅぅぅ。」
俺様の名前は槙最だ。