ミーティング
前回は月のドヤ顔で終わったが、何も進展しない、何すんだよ。
(…なんか恥ずかしいんだけど、なんで! )
さて、こんな時は俺の暗黒時代(薄暗い部屋に閉じ込められ、常に真っ暗だった時代)に読みまくった小説たちの解決方法を、真似てみよう。
こんな不思議空間にはもういたくない。
(でもその考え方だと、いつ私たちがこの不思議空間に入ったの?)
そういえば、俺たちはいつからここにいるのだろう。
何か予兆があったはずだ、それさえわかればここから出れるかもしれない。
そしてお前は、俺の思考に入ってくるな、すごいストレスがたまる。
(え、ごめん。)
いや、喋れよ。
(そんなこと言ってそっちだって声出して無いじゃん、私だけ話したらなんか
無視されながらも付きまとってるうざい奴だと思われちゃう。)
「そういえば、この学校のこと詳しいのか? 」
(うん。まぁ、貴方よりは詳しいね。)
「つーかさ俺、喋ん無くてもお前俺の心の中のぞけるわけだろ、
速くこたえろよ。」
そう、こいつは俺の過去とか母さんの事とか母さんの事とか知っていた。
別に俺が考えたことが解るって訳じゃなく、完全に相手の心の中が
解ってしまうんだろう。
(いや、母さんの話題に触れたのは謝るけどさ、それはできないんだよね、
だって私に対して知りたい事とか黒独の中にいっぱいあるわけじゃん、
それ全部答えるのは、きついからどの質問か言ってくれないと、そして
それなりにしか見えないんだって、母さんのことは偶然直後の出来事だったし、
そんなことしたら、私が今読んでる本のネタバレされちゃうじゃん。
読んだことあるんでしょ、私があの時持ってたやつ。)
いきなり饒舌になったな、まぁ喋ってはないんだけど。
これだと俺がお前に話しかけて無視されたるみたいだな。
ちなみにお前が読んでた本、最後にヒロインが裏切るよ。
「マジか! 」
「うわっびくったー、お前喋れんじゃん。やっぱキャラづくりじゃん。」
(ちょ、うわー、ヒロイン主人公といい感じだったのにー。
貴方は、後で殺す。そして今のは、驚いたからだよ…。)
(それで質問って何? あとで、性癖さらしてやる。)
「いや、斉藤先生っているだろ、あの人どのくらい回復できんのかなーって。
あと性癖さらすってなんだ、心の声漏れてるぞ。」
俺は廊下でずっと立ち話?をしているのもあれだからと、廊下に座り込んだ。
(斉藤先生は有名だね、何でもスーパー細胞っての持っていて、誰にも移植できる
らしいよ。そんで自分の傷はすごい勢いで回復する超回復もちだからね、
医療界では引っ張りだことか。)
「は? 俺その人に腕生やしてもらったんだけど。ちょっとなんか変な
方向に話言ってないか。」
月が間違っていなければ、俺の腕を生やすのは無理じゃないのか?
俺はあの人の回復速度がどのくらいかが知りたかったんだが。
(…変だね、記憶違いなはずないんだけど、あと性癖さらすってのは、
貴方の裸エプロン好きとかばらす。)
「やめろ!! 」