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最弱の英雄伝   作者: かぼちゃの骸
プロローグ
20/108

気付く


 なんか無性に腹が減った。

それに何か、食堂に用があった気がする。


 まったく、結局よく解らない授業ばかりだった。

数学実践にはもう参加しないと決めた。


「…ねぇ。」


 廊下でボーっとしていたら、月が話しかけてきた。

鬼は4時限目に体育を選択したとかで体育館に行くとか言っていた。

 そういえば体育館は燃えたのではなっかたか。

 こんなことを忘れていたとは、


(いやいやいや、忘れていたとは、じゃないよ。

無視しないでよ。これ使うなっていうから許可を求めようと思えばこれだよ。

マジざっけんな、)


 手を可愛くバタバタ振り回してきたので、あえてすべて避けてみた。


「…今のは、はぁ、はぁ、くらうところ。」


 廊下を逃げていたのだが、もう追ってこなくなって、

泣きそうな声を出すので戻ってやる。

 そしてなるほど、大体3メートルぐらい離れるとこの能力は使えなくなるらしい。


「なんで泣きそうなんだよ…。少し自分のふがいなさにショック受けてたんだ。

別に無視はしてない。」


(まあ、別に気にすることじゃないと思うけど。)


「なにが。」

 

(いや、そのふがいなさってやつ。)


 なぜかわからないが、ニヤッと笑った月に少しドキッとした。

これってもしかしてドキッとしたとかも相手に伝わるのだろうか。


(そういえばさ、誰かに話しかけられた? )


 そんな様子はないのに安心する。

 それにどれはどういう質問なんだ?

 さてはこいつ、誰からも話しかけられなくてへこんでるのか?

少しなら元気づけてやってもいい。


(やめて! その憐れみ私に筒抜けだから!! )


 そういえば何か食おうと思ってんだった。


「そんな事よりなんか食おうぜ。

奢ってくれよ。」


(なんで私が! ふつう逆ってか、まだそんな時間じゃないでしょ。)


「は? いやいや、昼飯はそろそろだろ。」


(今何時だと思ってるの? あれ、)


「どうしたよ。」


(今、何時だっけ。)


「お前、変な奴だな。」 


(いや、だって始業式でもうお昼ぐらいになるはずで、

それから6時間の試験があって・・・。)


 確かにそうだな。

ん? 待てよ。


(どうしたの? )


「いや自分で言っといて気付かないのかよ。

だってまだ外は明るい。それに、その計算なら今は9時ごろになるじゃないか。

つまり今は晩御飯の時間? 」


(…何言ってるの? それこそ自分で言ってて気づかないのだよ。

そもそもこんなに時間がたってるはずなのに、日が暮れてないことが大事件じゃん。)


「なぁ、なんかおかしいと思わないか? 」


(そうだね、おかしいと思ってない私がいる事がおかしい。)


「どうする? 」










  

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