人探し
特に何事もなく6時間終了の鐘がなった。
こうして、入学試験はあっけなく終わった。
泣きつかれたので、月には俺の学園章を二枚わけてやった。
まぁ傍から見たら、いきなりお願いとつぶやいて土下座された。
緋色とかは戸惑っていたが、俺には、親からも気持ち悪がれてるし、
おかあさんが浮気してるのも知ってるの私だけだし、
絶対に帰りたくないんだー。という声が聞こえてからしょうがなくだ。
ほんのちょっとだけかわいそうになった。
それだけだ。俺のタイプとか、そういうのは関係ない。
とりあえず、俺たち四人は合格した。
あとで聞いた話だが、最初の竜の召喚によって、すでに大半の生徒が、再起不能、
逃走をしていたらしい。
今年の合格者は、348人。
定員が800人だということを考えると、かなり少ないらしい。
あと、あいつなら大丈夫だろうが、俺の親友も合格していると信じたい。
俺も相当こいつらを恨んで、殺してやりたいとさえ思っているが、
あいつの無念は、俺の恨みの数倍だ。
しかしケータイに出無いので、少し心配になってきた。
それに受付がこれから30分の間だそうだ。
道に迷っているということもあるし、俺は、2枚提出して、
合格した。そして4枚まだ手元にあるのでもしもの事があれば助けてやろうと、
思ったのだ。
戦闘を制限するために教師たちが、校庭に出て行った。
それについて、俺は親友を探しに出た。
親友の名前は、鬼神 柳
俺は、鬼と呼んでいる。これはあいつからこう呼んでくれと言われた。
俺は、俺を、尊と呼ばないことで了承した。
さて、どこを探すかは簡単だ。
奴は、自分に徹底的に厳しい。
もっとも険しそうなところに行けばいい。
「…私も、行く。」
月だ。こいつに俺と喋るときは口で話せ、と言ったらすごく静かになった。
「…私も友達を探す。」
袖をくいくいっと引っ張ってくる。
どうせ俺の考えてることは問答無用に伝わってしまうのだろう。
心を読むのをやめろと言ったが、代わりに誰かの気持ちを読み続けないと、
いけない私の気持ちになって、と言われてしまった。
なら別に、答える必要はない。心を読まれてしまっているのだから。
勝手についてくればいい。
それに人探しは多いほうが早く見つかるはずだ。
「どこか過酷な場所知らないか? 」
「…過酷な場所。」
そういって、月は燃え盛る体育館を指さした。