変!身!
(ねぇ、この人って怖い人なの?
心読めるとか読めないとかじゃなく、あなたの体震えてるけど。)
あまり意識してないつもりだったんだが、
トラウマになっていたらしい。
月、たぶん俺、切り刻まれると思う。
(切り刻まれるってどういうこと!?)
「おぉ、いい所に。さっきの奴じゃないか。
こいつに説明してやってくれないか。私は悪くないって。」
(なんか全然フレンドリーじゃん。)
確かに、気にしていませんよという感じだ。
これが力を持ってる奴の余裕ってやつなのか。
「お嬢様、この人たちがおっしゃっていた人たちでしょうか。」
メイドだ。
俺に正しい知識があるのかはわからないが、
長いスカート履いて手前にエプロンがあって、頭に白い布みたいなのがある。
つまりメイドだ。
(メイドだね。)
こいつの賛同も得られたので間違いないだろう。
歩きづらくないのか、そして制服じゃなくていいのか。
俺も、焦げてたり切れてたりとあまり人のことを言えた服装ではないが。
「さて、私はどうでもいいのですが、お嬢様が納得なさらないでしょうから、
学生証はすべて奪わせていただきます。」
なんか、どこかのアニメの変身前のようなポーズをとる。
これはあれか、なんちゃら仮面になる気なのか。
「へん、
「私は、もう気にしてないよ。」
「そうですか。お嬢様がそうおっしゃられるなら。」
少し残念な気もしないでもないが、千代さんの一言で、
助かったしい。
(助かったはずなのに、なんでこんなに残念な気持ちでいっぱいなんだろう。)
「それでは、お茶を入れさせて頂きます。」
なぁ、つっきー。
(なに? テンパってるのは伝わってくるけど、
いきなりフレンドリーだね。)
これどうすればいいんだと思う?
(分かんない、なんかお茶飲み始めちゃったね。)
「どうしたのですか、お座りください。お茶を用意させていただきます。」
こうして地獄のお茶会が始まった。