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最弱の英雄伝   作者: かぼちゃの骸
プロローグ
10/108

保健室での密会



「さて、あの子はいつから平気で嘘をつくようになったのだろうか。」


 保健室のロッカーから声がする。

 ロッカーを開けるとボサボサの髪の中年が中にはいっていた。この保健室には、下半身が蛇になったり、三倍くらいに膨らんだ生徒が良くるが、ロッカーに入っていた人を見るのは初めてだ。


 しかしこれはまずい。この人は生徒というには大きすぎる。この学校には、能力者の学校というだけ在って、高価なものが色々と置いてあり、こう言った行事には必ずこういった物盗りが現れるのだ。

 この救急箱だって、不死鳥の尾とカが在ったりする。不死鳥など見たことも無いが、その効果は確かだ。死に掛けの人に飲ませれば、体が燃え出し、最後には元気に跳ね回るようになる。 



 私は戦闘には向いていないから、此処で戦うことになったりすると非常にまずい。


 能力は超能力では特性で、相手の問いに相手が答えを持っていれば答えることが出来る。

 ある程度、魔法薬の知識はあり、常人よりも強いという、自負はあるが、この場で不審者と戦い始める理由も喧嘩っ早くも無い。

 

 穏便にすませたいのが本音だ。


「親御さんですか?」

 あの子と言ったので、もしかしたらさっきの子の親かもしれない。その可能性はかなり低いが、この嘘に乗っておけば、私の生存確率も上がる。

 

 可能性が低いと言った理由は二つ。

 まず、こんなこそこそくる必要は無い。

 次に、びっくりするほど似ていない。



「えぇ、愚息が今度は何をやらかすか心配でね。あなたは超能力者か、初めて会ったよ。では私もやってもらっていいかね?」

「何をですか?」

「私が質問する」


 有無を言わせない迫力があった。

 どうやら敵意は無いような気がするので安心だ。出てくるところはあれだが、理性はあるらしい。


 どうせ、今までの会話も聞いていたんだろう。いつもならそんな人をおもちゃにするような要求は聞かないが、本当に黒独君の親御さんか調べられるかもしれない。

 

 興味はある。


 緊張しますな。えーおほん、と黒独のお父さん(仮)は、話し出した。


「彼は私に罪を着せて現実から逃避する癖があってね。ハッキリさせて置きたいんですが、わたしの息子はいったい何人、殺しましたかな?」


 なんの冗談か。さすがに何人も殺した人間がこの学校に入れるわけが無い。サチという生徒をかばって傷を負ったと言うのでなおさらだ。


 私にため口で態度も最悪でくそむかついたが、根は優しい生徒なんだろう。

 質問の意図が解らない。

 

 しかし私の口から出たのは驚くような答えだった。

「48人」

「その言葉、忘れないでください」





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