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精霊王の子育て日記 水編

下位精霊達に雨の降らし方を教えていると、突然神様の声が頭に響いてきた。


<ウンディーネ、神の森に行きエルザに預けた子供の守りをしてください>

「えっ 子守でございますか?」

<他の精霊王達にもお願いしています。よろしくね>


相変わらず用件だけで、詳しい事情の説明をしない『生命の女神』に少し機嫌を悪くしながらも神の森に向かった。


赤ん坊の周りをオロオロしながら歩き回ってる神狼エルザの足元には、大声で泣いている赤ん坊がいた。


「エルザ様、何をされているのですか?」


とりあえず状況確認の為に声をかけてみた。


<ウンディーネ、助けてくれ>

「いかがなさいました?」

<赤子が乳を飲みに来ぬのだ>

「人の子は少し大きくなるまで、自分では動けぬと聞いております」

<そ・そうなのか?>


子育て経験豊富な神狼エルザも、人間の子は初めてらしく戸惑っていたようである。


そっと赤ん坊を抱き上げて、横になったエルザの乳に口を持っていってやると勢いよく飲み始めた。


赤ん坊は満腹になって満足したのかスヤスヤと眠り始めた。


ようやく落ち着いた洞窟内で、赤ん坊の顔を初めてみた。


(か・かわいいっ!)


ドキドキしながら、ほっぺたをつついてみたり髪を撫でてみたりした。


顔を舐めたりして目を細めているエルザが問いかけてきた。


<ウンディーネ、何故ここに?>

「『生命の女神』様から、この子の守りをするよう言いつかりました」

<そうか、お前もか>

「わたくしだけではございません。四大精霊王全員でございます」

<なんと!?それで、この子のことは何か聞いておるのか?>

「わたくしは何も聞いておりません」


「アタイが調べてきたよ」


いつの間にかやってきた風の精霊王シルフから事情を聞いた。


(神様の養子?神の御子?)


もう一度赤ん坊の姿を見直すと、話し声に眼が覚めたのか目を開けてニコニコしている瞳は金色だった。


奪うようにシルフが赤ん坊を抱き、少し残念な気持ちになっていると残る二人の精霊王も姿を現した。


その後四人で交代しながら赤ん坊を抱き、これからのことを話し合った。


これまで加護してきた人間のことを思い出しながら、人間の子育てについて話たのだが、誰も子育てには興味もなかった為役に立たなかった。


シルフに情報収集を一任して、守りの順番を決めた。


慣れるまでは、二人一組で3日交代。


最初はウンディーネとノーム、次はシルフとサラマンダーということになり、シルフはできるだけの情報を集めて提供してくれることになった。


シルフは情報収集には優れているがきまぐれ

サラマンダーは不器用

ノームは頼りない


ウンディーネは3人の精霊王を見渡し、

  (わたくしがアーサー様を守らねば)

と強く誓った。

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