武術修行 土編
「アーちゃん、今日はノーちゃんが先生だよ~」
「ノーちゃんも武術できるの?」
「ノーちゃんのはすごいよ~」
地の精霊王ノームは巨大な岩の前に立ち掛け声とともに拳を打ち出した。
「えいっ!」
どおおおおぉぉぉぉん
岩は粉々に砕けノームは胸を張って威張っていた。
「アーちゃん、どう?」
「すごいや、ノーちゃん」
「土の技は一撃必殺なんだよ」
「僕にもできる?」
「アーちゃんなら大丈夫だよ。頑張って練習しようね」
「はぁ~い」
「じゃあ 早速型をおしえるね」
ノームは型の見本を見せ、アーサーは見よう見真似で型をやっていた。
「アーちゃん、踏み込みを足はもっと力強くしなきゃ」
ノームの踏み込みは、ドシーンという音なのに対してアーサーはトンという音しかでていない。
「ノーちゃんて重いの?アレクの足音みたいだね」
「重いんじゃないよ~。力一杯踏み込んでるだけだよ」
「そんなに強く踏み込まなくても、手に力入れたほうが強いんじゃないの?」
「地面を踏み込んだ力を、足から身体全部で拳に伝えるんだよ」
「身体全部?」
「そうすれば手の力だけより、ずっと強い力が得られるんだよ」
「ふ~ん」
アーサーはこうして精霊王達から精霊武術の基礎を教えられた。
水のゆったりした動きから濁流のような力強さ
風の俊敏な動きと竜巻のような回転力
火の苛烈な連続攻撃
土の強力な破壊力
アーサーの素直な性格も幸いして、8歳までには上級の技も身に付け、10歳の頃には武器の扱いまで習得してしまった。
水の槍術
風の弓術
火の剣術
土の戦斧
4属性全てを身に付けた者など過去には存在せず、アーサーはそれぞれの特徴を組合せ独自の戦闘スタイルを編み出すまでになった。
「アーサー様、これでわたくしたち精霊王がお教えできる武術は全てでございます」
「アーサー、よくがんばったな」
「御子様の努力の賜物です」
「アーちゃん、すっごいねぇ~」
「みんな、ありがとう」