表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
1/2

扉 ー始まりー

 私はその扉の前に立ち尽くしていた。何故此処(ここ)に居るのか分からず、ただ呆然としていた。

 

 この状況を把握する為、周りを見渡したが、この扉が見知らぬ深い森に在るという事以外は分からず(じま)いであった。

 困り果てていたその時、背にしていた扉が音を立てた。その音はまるで、小鳥の断末魔のようであった。途端に風が扉へと吸い込まれていくのを感じた。

 その時私は言い難い恐怖を覚え、その場から逃げ出したくなり、遂には走り出した。だが、先には崖があり、此処からは出られないということを悟った。如何(どう)にも私には、あの扉でしか出られる所はないと言っているように思えた。


 震える手を抑えながら元の位置へと戻り、扉の前へ立った。周辺からやって来た風が一点に吸い込まれている。その扉の先は何も見えず、暗黒の世界が広がって行くばかりである。

 私は固唾を呑み、思考を巡らせた。

 これは本当に現実なのであろうか。

 これから私はどうなるのであろうか。

 私の家族… 友は無事だろうか。

 そこであることに気が付いた。私の家族、友、仕事、思い出、更には自分自身の事すらも一切思い出せないのだ。何かが有りそうな気がしたが、何故か空白だけが存在している。いや、元々は何かがあったはずだ。と、考えているうちに扉が音を立て始めた。

 閉まってしまっては後がない。そう直感した私はすぐさま扉の中へ飛び込んだ。


 それは一瞬だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ