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スージーたちの日常

6月11日。スージーは目覚めた。サラとルーラは登校。キューポラ女学院は9月入学で文化祭は5月に開催。だが第二王女と第三王女は他校の男子に馴染めない。ハルサキ学園はごく普通の男子校。9月入学だから5月に文化祭を開催。サラたちは人見知りが激しいため空回りしがち。18歳のドロシーは36歳の私と政務に就いたが、早くもストレスを感じた。異世界は娯楽が乏しく、田舎リアンほどその傾向が顕著。第一王女は日本文化への怨嗟の声の凄まじさにドン引き。確かに最近[週刊少女コリス]が伸びてきたが、まだまだ娯楽が足りていない。世界名作劇場やレディースコミック。果てはスナイパーカセットブックにまで手を伸ばす有り様。「いや最後はいらんでしょ」「お母さま、スナイパーカセットブックってなあに?」「と、殿方のメルヘンよ」まず世界名作劇場だが、前半をこきおろす人は皆無。[ふしぎの海のナディア]から雲行きが怪しくなるが、NHKがナディアの未成熟なムネを見せたことに問題があるのではない。[若草物語]は主題歌しか覚えてないとか[ペリーヌ物語]も影が薄い説も濃厚。要はいつ中の人がカン違いし、迷走が始まったのか?に尽きる。次にレディースコミックだが、中にはマトモな作品もある。信じがたい話だが、ある人はリアルまで行き、ゴミを出す日の朝を狙って少女漫画を回収していく。だが残念ながら平成以後にマトモな作品は皆無。そこでレディースコミックに狙いを変えた。ごく稀にいい作品もあるし、OLの恋愛モノに当たればまだマシ。だが最悪なのが嫁としゅうとめの確執モノ。作者ですらコレより怖いものを読んだことがない。「アレはしんどいわ」「もはや人間の世界じゃないわ」なぜかスナイパーカセットブックの評価は低くない。「昭和の残滓にしては健闘してるわ」「あらぬ妄想が膨らむわ」私たちは内心複雑。「果たしてコレでいいのかしら?」「よくわからないわ」私たちはすでに[牝牛たちの嘆き]のヒロインに感情移入していた。ヒルダたちは6月末から7月の初めにミナセ公国に参戦を目論み、すでに[精華隊]を創設。精華隊は表向きこそ自警団だが、参戦を想定した民間防衛団体。いわば盾の会だが、私たちはヒルダたちに自身を重ね合わせた。ミナセ公国に正規のコスチュームを与えられ、女王たちは色とりどりのチアを身にまとってうっとりした。ヒルダは赤。カヒーナはパープル。インゲはブルー。ミランダは白。まさに私たちと全く同じ。白のブーツはひざまであり、軽くて通気性がよく履き心地が抜群。長く履いても疲れないからふだん使いもできる優れもの。同じ頃。帰宅したサラとルーラは小説のプロットを練った。まだ2人は小説を書いたことがないが、できれば[牝牛たちの嘆き]みたいな物語を紡いでみたい。第二王女は[不揃いの果実たち]。第三王女は[ビーナスクライ]というタイトルを付けた。サラは喜び勇んで参戦するが、真夏に囚われて凌辱されるお話。ルーラは喜び勇んで参戦するが、真夏に囚われて性的な訓練を施されるお話を構想した。今から参戦すれば8月に息が切れる。私たちはふだん運動しないからだ。特集号ではヒルダたちの虜囚服姿が公開されたが、幼い子ほど露出が控えめに抑えられた。女王はゴールドの太い首輪とおヘソまでの細くて短い鎖。そして黒革の貞操帯。だが他の子たちには黒革のコルセットが施され、ムネの外周を柔らかい黒革にそっと包み込まれた。それでもなお金色に輝く胸のつぼみは3分咲きから5分咲きにとどまり、さらなる飛躍が期待された。カヒーナは赤。インゲはシルバー。ミランダには深緑の太い首輪が施された。第二王女と第三王女は誇らしげに微笑んでいるが、女王と第一王女は不安そうに眉毛を寄せたままだ。サキは魔法戦士が収容された独房にまで踏み込み、彼女たちへのインタビューを敢行。若い女性所長にも取材したが、すでに公開の許可は取れている。注意書きにはヒルダのみ旧型。娘たちには新型の虜囚服が着せられたとある。だが旧型も新型と虜囚服の素材が統一され、女王に装着された貞操帯の生地は通気性がかなり改善された。コレはマジカルナイツの輝かしい功績。もはや収容された憐れな子がアソコのむずがゆさを訴えることはない。「何だか安心したわね」「そうね。虜囚服ってこんなにスタイリッシュなんだね」虜囚服をデザインしたのは無名の女性デザイナーだが、ジョイナーは今やファッション業界でも有数のデザイナーに成長。異世界は魔法戦士の文化を一大産業化を目論み、正規のコスチュームはもちろん試作品も無名の女性デザイナーに丸投げ。[信じて任せ切る]のが異世界流。虜囚服に身を包んだヒルダたちはひときわ輝いて見えたが、サラはカヒーナ。ルーラはミランダに自身を見た。「私たちもコレを身にまとうのかな?」「すっごく楽しみ」お姫さまたちはなおも興奮がおさまらなかった。

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