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エナオたちのミッション

6月8日。エナオたちにミッションが与えられた。ベルダたちにヨガを教えること。生徒はお姫さまたち8人。もちろんスージー一家も含まれた。知り合いを巻き込むことで女王たちを安心させる狙いがあった。もちろんスージーたちの取り込みも進めていく。スージーにはアル。サラにはジノ。ドロシーにはトム。ルーラにはハックが付けられた。アルたちはA組の仲よし4人組。ベルダにはエナオ。カレンにはセロ。イルマにはディエゴ。ミレーヌにはリーレンが付けられた。エナオたちはB組の仲よし4人組。さっそく彼らはマリアにヨガを習うことになった。エナオはアンヌ。セロはシンク。ディエゴはニノン。リーレンはリンデが受け持つ。ナルシスは黒のレオタードを身にまとい、緊張気味。マリアはピンクのレオタードに身を包んだ。ヨガといってもお姫さまたちが実戦で転びにくくするためのレッスンだからさほど覚えることはない。しかもアルたちが他のマリアにヨガを教わっている安心感は絶大。エナオたちはふだんショーツを履いているからレオタードへの違和感はさほどないが、やはり女装してみると落ち着かない。しかも先生は2つ歳上のお姉さま。金髪碧眼の美女たちに囲まれ、彼らは尻込みした。だがいざレッスンが始まれば厳しくなくてゆるい。男子校の学生たちはのびのびやらせてもらえた。覚えることは少ないし、アンヌたちは優しい。マリアはもちろんいずれナルシスを育て上げる立場にある。ヨガのレッスンは和やかな雰囲気で進められた。彼らはからだが柔らかいし、レッスンにも意欲的。先生方は見本を見せてくれた。実際に彼女たちが習っているのはモダンバレヱだが、そんな世界を全く知らないエナオたちはマリアの美しい所作に見惚れた。アンヌたちは生徒たちの反応を見て大満足。ココでしっかり関係性を作っておかないとこの後の訓練でおかしくなる。だがベルダたちの参戦の日取りが決まらないと訓練には入れない。エナオたちはすでに全身脱毛を済ませていた。1時間のレッスンが終わるとナルシスはマリアのクルマに便乗し、香水店に連れて行かれた。すでに熱いシャワーを浴び、みんな私服に着替えている。アルたちは別ルートだが、単なるドライブデートではない。「彼らはどこに行ったんですか?」「別のお店よ」やはり香水店のようだが、お店によって品揃えが違う。エナオたちが行く[アヴァロン]は最先端だがバリエーションが乏しい。アルたちが行く[エッヂ]は若い調香師たちが集まる店として知られていた。彼らはいろいろ試してみるが、いまいちよくわからない。そこでナルシスは香水ガチャを引いた。1回1000ワイオンで最先端の香水が微量ながら手に入る。香水ガチャは[エッヂ]にもあり、やはり1回1000ワイオン。エナオたちはアンヌたちとのデートを満喫した。マリアの本業はさまざまで、アンヌは花屋さん。シンクはパティシエ。ニノンは雑貨屋さん。リンデは写真屋さん。「変なフィルムを持ち込まれたりします?」リーレンが尋ねた。「たまにあるわ」「春や秋が多いですか?」「やっぱり夏ね」「そんな時はどうします?」「ケースバイケースね」変質者は初級者と中級者と上級者がいるが、上級者は自分で現像する。初級者ならば説得を試みるが、問題は中級者。彼らの撮影技術は微妙。「ホントにそのあたりを狙ってるのか。それとも彼らが技量不足なのかはいつも判断に苦しむわね」リンデはそれとなく中級者を尾行したりするが、かと言って彼らはストーキングに走らないから不思議。ニノンのお店はリサイクルを兼ねているが、絶対に買い取りをしないのが日本製のカセットコンロ。異世界でふだん使いする人は少ないが、近年はIHが普及。しかし皮肉にも火力の強さに惹かれて日本で買い求める若い子が絶えない。「アレは燃費が悪いし火の元にもなるわ」ススキノでたぶん若い従業員がオーブンの上にカセットコンロを置き、数人がケガをした事故は異世界で大々的に報道された。シンクのお店で一番人気はスイートポテト。岡崎のローソン100で見つけたが、全ての店舗にあるわけではない。だが試行錯誤を重ね、ホンモノに近いモノができた。アンヌは名古屋でアンティーク花瓶を買い付け、本業の足しにしている。「花屋だけじゃムリ。とても食べていけないわ」だがまだ男子校の学生に過ぎないナルシスはマリアの社会経験に興味しんしん。アンヌは本業にタッチせず、アンティーク花瓶などの販売に力を入れたい。シンクは自分のお店を持つのが夢。ニノンはアフリカ雑貨の魅力にハマり、リンデはオールドレンズの魅力にハマった。「フィルムカメラと合わせるとレンズによって変わりますか?」「そうね。でも甘いというか解像度は高くないのよ」彼女はそこまでカメラやレンズに詳しくないが、冷戦時代の旧ソ連や西ドイツ製のフィルムカメラが独自の進化を遂げたことを熱っぽく語った。

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