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コトハの戦い

7月7日。ベルダとカレンはアヤセ公国でエナオたちと対戦した。私と娘はラミアの事務所の更衣室で白のセーラーと紺のミニスカートに着替えた。通訳は定番のテニスウェア。「いけそう?ベルダ」「もちろんよ」「カレンは?」「サラたちには負けられないわ」私たちはスージーたちに後れを取る訳にはいかないわ。アヤセ公国に着くと対戦場所は森の中の広場。「待ちわびたよベルダ」「まっ待たせたわねエナオ」「またカレンに逢えて嬉しいよ」「ウフフ。私もよセロ」私は年甲斐もなく娘に嫉妬したが、たぶんコレが実戦なのね。私たちはしばらく雑談に花を咲かせた。「今やメルティーナイツは凄い人気さ_「ホント?」先生方は雑誌を見せてくれた。ソコには私たちの挿し絵がたくさん描かれていた。「わあ凄い」カレンはより可愛らしく。私はより若く描かれていた。雑誌は2冊あり、対戦後にもらえる。ただし私たちが負けたらお預け。「なあによセロのケチい」「引き分け以上だよカレン」「私たちが勝てばいいのね?」「勝つか引き分けなら雑誌はベルダたちのものさ」私は悩んだが、先生方に従うことにした。ホントは勝って頂きたいが、もとより彼らに勝てる自信はない。「そ、ソレでいいわ」エナオは私。セロは娘と組んで柔軟体操を始めた。意外と早く息が合うのは先生方がコチラに合わせてくれたからだ。優しいなあ。ついつい期待しちゃう。雑談タイムでも私たちは冗舌。ナルシスからは固さが感じられた。私たちは先生方と距離を取り、アームカバーを装着。エナオたちの準備が整い、ラミアが合図を送った。回転キックで行こうとするカレンを押しとどめ、私たちはマジカルキックから始めた。私はエナオをかすめ、娘はセロにヒット。地上戦では私がミドルキックとローキック。カレンはハイキックとローキックのコンビネーションで攻めた。いきなり先生方に押し込まれたが、私たちは何とか押し返した。やはり通訳が側にいてくれる安心感は絶大。私たちはマジカルキックをナルシスに褒められて舞い上がった。やっぱり股の広げ方がコツなのね。私たちは[ウイングマン]の愛蔵版を買ってまで小川美紅の股の開き方を研究したわ。エナオたちに押し込まれても長くは続かない。やっぱりラミアがいるからね。女の子の前で女の子たちをイジメるのはやりにくいわ。ハーフタイム。通訳を交えて話し合いを重ねたがもちろん策はない。後半は娘が回転キック。私はマジカルキックから始めた。回転キックはひねるからミニスカートのめくれ具合がマジカルキックと違う。前者は華やかにパッと咲き、後者は控えめに咲く。殿方の好みの問題かしら。すると先生方がまさかのスワッピング。そ、想定内だけど。やっぱりビビるわ。私はセロ。カレンはエナオ。だが可愛い生徒たちからすれば変わらないかも。娘はフローラルを繰り出し、アッパーがエナオを右耳かすめた。私も負けじとバイシクルを繰り出し、セロの右腕をかすめた。今度はカレンがバイシクル。するとエナオの右肩をかすめ、放物線がズレて着地。尻もちはつかないで済んだが、エナオに後ろの穴を触れられた。もちろんショーツ越しだが、トントンと中指でノックされ、娘は恥じらいを覚えた。私はフローラルを繰り出したが、アッパーをかわされ、セロに息を吹きかけられた。右耳に温かな風が吹き、私はクラッときた。だがスワッピングが解消し、私たちはホッとした。あんまり別のパートナーに責め立てられたらおかしくされちゃう。だが彼らは激しくしなかった。私たちは初戦を引き分けで終え、先生方と仲よくハイタッチを交わした。「なかなかやるねベルダ」「あなたの生徒だからねエナオ」「カレンは強いね」「あなたの生徒だからねセロ」帰宅した私たちは魔王さまから祝福された。明日のイルマたちの頑張り次第ではさらなるご褒美を与えよう。私たちは悦びに打ち震え、慌てて対戦ノートをつけ始めた。ついさっきまで先生方に頂いた雑誌をめくってゴロゴロしてたんだけどね。私たちは着替えるのも忘れ、はしたない姿でゴロ寝していたが、ラミアからの電話で居住まいを正された。「魔王さまは終始上機嫌よ」「そ、ソレは何よりね」悪い気はしなかった。魔王さまは私たちの偉大なる父親に他ならず、私どもは従順な娘に過ぎない。私たちは熱いシャワーを浴びながら自身を慰めた。「ああハビエルさまあっ」「ふ、フーコーさまあっ」私はハビエル。カレンはフーコーに恋したが、まさにソレは道ならぬ恋。魔王さまは私たちの永遠の恋人なのだ。私たちは夢を見た。私とイルマはハビエル。カレンとミレーヌはフーコーに抱かれた。私たちは生まれたままの姿で抱き寄せられ順繰りにご奉仕を促された。「まず私めが」「いいえお母さま、まず私めが」だがハビエルは叱らずに私たちを甘やかした。「まず私めが」「お姉ちゃん、ココはまず私めが」フーコーも叱らずに娘たちを甘やかした。

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