ベルダとカレンの訓練
6月30日。ベルダとカレンはアヤセ公国でアウダたちと訓練を行った。私たちはラミアの事務所の更衣室で嬉々として白の半袖の体操服と紺のブルマーに着替えた。体操服もブルマーもリアルと比べて生地が薄い。問題はブルマーのムレだが通気性はよさそう。私は赤。娘はブルーで下着の色を統一した。体操服にはブラジャーがスケスケだが、女の子同士だからできる。通訳は定番の白のテニスウェアだが地味にセクシー。私たちはラミアと一緒にアヤセ公国に着いた。訓練場所は廃校のグラウンド。「ようこそアヤセ公国へ。歓迎するわベルダ」「よ、よろしくねアウダ」「ようこそアヤセ公国へ。歓迎するわカレン」「よろしくねエミル」私たちはまずジャンプを教わった。からだをかがめ、なるべく娘に合わせた高さまで飛ぶ。初めは怖かったが、徐々に高度を上げていった。私たちは20メートルが限界。これ以上高くなると漏らしちゃうわ。次に上からのキック。マジカルキックだが、カレンは左足でキックしたがるので私は右足。蹴らない方の足をやじろべえみたいに股をグッと広げるのが恥ずかしい。だが股を閉じ両足を揃えると威力が半減しちゃう。「ベルダ、カレンみたいにもっと股を開いて」「う、うん」だが今はまだいい。訓練は人型のサンドバッグだし。でもいざ先生方にこんなキックできる?だが娘はいい感じ。股の開き具合がいい感じね。徐々に私たちはサンドバッグに当たり始めたが、やはり私はカレンほど当らない。次は守備の練習。私たちはマリアのキックをアームカバーで受けた。5分の力から徐々にギアが上がる。ようやくアウダたちのスピードとパワーに慣れた頃、私たちは休憩に入った。「この時期に参戦するなんて偉いわね」「そ、そお?」名古屋は記録的な暑さが続き、参戦してくる子が皆無。「そんなに酷いの?」「5月下旬に熱中症で倒れた人が出たわ」「ま、マジ!?」コチラは25度でも暑いくらいなのに。後半は攻めと基本線を固める練習だが、もちろん後者までいかなかった。私はミドルキックとローキック。娘はハイキックとローキックのコンビネーションを磨いたが、アクセントとして私はハイキック。カレンはミドルキックを求められた。しかも左右両足でバランスよく攻撃を組み立てないと先生方に見切られちゃう。ラリアートも左右両腕で繰り出せないと攻めが細くなる。娘は次のアッパーやローキックまでいけるが、私はなかなか次の技を繰り出せない。女の細腕のラリアートに威力などあろうはずもなく、せいぜい次の技までの見せ技に過ぎない。カレンのフローラルは思わず見惚れてしまうほど美しい。娘ほ先生方のマスコットとして大切に育ててもらえそうね。私のバイシクルは繰り出す時はドキドキするけど。くるりと1回転する時は一抹の不安に駆られるわね。ナルシスの殿方に足を掴まれなきゃいいんだけどね。しかもフワリと着地した瞬間が不安定なのも怖いわ。カレンのバイシクルは見た目は綺麗だけど。いかにもムリしてる感じが否めないわ。でも先生方には受けそう。私のフローラルは可憐さに欠けるけど。次までいかせてもらえないのが困りものね。でもエナオたちならフィニッシュまでいかせてくれそう。基本線まで固められず私たちは訓練を終えた。帰宅した私たちは訓練ノートをつけながらイルマとミレーヌに質問責めに遭った。私たちは最新号を読み、ヒルダたちの穏やかな日常に触れ安堵した。まだ女王たちの教護院生活は始まって間もないが、私たちは特集号でその先を知っていた。ソコには安堵しきったお姫さまたちの姿があり、魔法戦士の面影はない。脱衣所で虜囚服を脱がされた時よりもむしろシャワーの後で虜囚服を着せられた時の悦びの方が大きい。カチャリと貞操帯にカギを掛けられた瞬間、なぜヒルダたちの尿道からジュッと静水が噴き出さないのか不思議でならないほどだ。私たちは女王たちが学習した結果だと結論づけた。小用を足すならばおまるかシャワールームしかない。だからこそヒルダたちはシャワールームで小用を足すことを黙認してもらってる。そうとしか思えないのだ。しかも毎日支給される新鮮な野菜ジュースは1日1人当たり1500ミリリットル。500ミリリットルの紙パックで3度にわたり支給される。果たしてそんな量が必要だろうか?精神体だから飲み物しか摂取できない以上、女王たちは飲むしかない。他にやることがないのだから。所長は面倒見がよく、毎日独房を来訪するが、カヒーナやミランダの話を聞くのが大好き。ヒルダやインゲの話も真剣に聞いてくれる。かと言って女王たちのプライバシーは守られた。犯したがる輩は皆無。看守も見習いばかりだから独房生活はゆるい。容色の衰えはなく、時には香水の差し入れさえあるという。スタイリッシュな虜囚服に今流行りの香水を身にまとい、ヒルダたちは所長や看守に甘やかされ、どんどんとろけていった。