ベルダたちの説明会
6月26日。20時。ベルダたちの説明会が行われた。会場は地元の公民館。参加者は私たち8人。ラミアが司会を務め]た。私たちは·[参戦の手引]を渡され、エージェントから説明を受けた。私たちは6月28日から7月1日にかけてマリアとの訓練に入る。マリアは18歳の少女兵士だが、本業は社会人。訓練も対戦も17時からだが、いずれもアヤセ公国で行う。だが時差があり、私たちの国より4時間遅い。だから平日でも参戦しやすい。訓練と対戦は週ごとに行う。「通訳は付きますの？」スージーが尋ねた。「私が付きますわ」訓練も対戦もラミアが通訳を務める。私たちは安堵した。世界線が違う見知らぬ国だからこそ女性エージェントが側にいてくれるのは大きい。コスチュームはアヤセ公国から無償で貸与され、ひざまでの白のブーツ1足とアームカバーも含まれる。「もし破れたら？」私が尋ねた。「事務所が対応しますわ」私たちのマンションの中間あたりに事務所が開設され、そこにラミアが事務員として常駐する。「私たちが用意するモノは？」ドロシーが尋ねた。「白のテーピングがいりますわ」ナルシスにパンチを繰り出す時のため、指に巻かないといけない。「でも真夏だとテーピングが剥がれたりしない？」イルマが尋ねた。「ちょくちょくあるわ。その時は中断ね」「中断した時間は？」「私がアディショナルタイムに追加するわ」訓練も対戦も2人1組で行うが1人に2人がかりで攻めてはならない。ただ例外もあり、立て続けにキスするのはギリギリセーフ。「先生方のコスチュームは？」サラが尋ねた。「白のセーラーに白のズボンに白のスニーカーが定番ね」「訓練や対戦場所は？」ルーラが尋ねた。「廃キャンプ場や廃公園。廃ゴルフ場や廃神社の境内などさまざまね」「先生方には馴染みの場所？」ミレーヌが尋ねた。「たぶん初めてよ。人気のない場所だからね」「ギャラリーやマスコミは？」スージーが尋ねた。「来ないわ」「ラミアしか立ち会わないの？」「そうね。屋内ならステージでの音楽係を女性が務めることがあるけど」「屋内ではやらないの？」私が尋ねた。「10月から3月は肌寒い日があるから屋内でもやれるようインフラを整備するわ」ラミアはスワッピングについて説明した。訓練でも対戦でも自由にできるが、なるべく決められた本命との訓練や対戦が望ましい。「ソレは私たちが押し込まれた時？」ドロシーが尋ねた。「あなたたちが不利でなくてもいいわ。例えば今日は気が乗らないとか。動機は特に必要ないわ」「続行がムリな時は？」「降参は訓練でも対戦でもできるわ」マリア又はナルシスの前で片ひざをつき、何がしか降参の言葉を述べれば足りる。「例えば？」イルマが尋ねた。「[私たちはあなたたちに従うわ]でもいいし[私たちはあなたたちに従属するわ]でもいいわ」「[負けました]とか[降参します]と言わなくていいの？」サラが尋ねた。「2人1組で片ひざをついて訓練相手又は対戦相手に従う旨を述べれば赦してもらえるわ」「作戦会議を訓練や対戦前にしてもいい？」カレンが尋ねた。「もちろんよ。ただ手短に済ませてね」「訓練や対戦場所にトイレある？」ルーラが尋ねた。「どこでも2基あるわ」「これから虫が湧かない？」ミレーヌが尋ねた。「虫よけスプレーを訓練や対戦場所の倉庫に常備するわ」「万が一お漏らししたら？」スージーが尋ねた。「その時はマリアかナルシスが対応するわ」「その時点で私たちの負け？」私が尋ねた。「ソレは自由よ。ポイント制じゃないからね」「訓練や対戦中にコスチュームが破れたら？」ドロシーが尋ねた。「倉庫に替えがあるわ」「更衣室は？」「ないわ。ソコはガマンしてもらうしかないわね」ラミアは性的な訓練について説明した。訓練や対戦中での性行為は性的な訓練として容認されるが、中出しは厳禁だし輪姦もダメ。ただ視姦は容認される。「でもあんまり長くされたらトラウマになっちゃうわ」イルマが訴えた。「じゃあ視姦は15秒までにするわね」実戦では視姦が1分に及ぶことも少なくないが、ラミアが事実上のレフェリーだから融通が利いて助かる。だが必ずしも先にイカされた方が負けになるわけでもない。「でもやっぱり私たちが不利だわ」サラが訴えた。「射精した直後のイチモツは敏感だからね」「じゃあ私たちが先にイカされちゃっても逆転できる？」カレンが尋ねた。「厳しいけど不可能じゃないわ」でもやっぱり先生方に責め立てられたら股に力が入らなくされていく。「早めに勝負に出ないとあなたたちはジリ貧になるわ」だがイクふりをするなど手はある。「あんまりやるとバレバレだけどね」「1回ならバレない？」ルーラが尋ねた。「そうね。初めだけね」「先生方はお上手？」ミレーヌが尋ねた。「ナルシスは童貞が多いからうまくはないわ」ソレを聞いた私たちは安堵した。彼らだって人間なんだし鬼じゃないわ。
