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今日でお別れ(完全版)  作者: りったん
倍倍小説編
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第二章 ホントにダメな私

 律子はある大手企業のOLである。


 先日、幾人もの女性と交際をしている名うてのプレイボーイの藤崎君に意見しようと声をかけ、


「また付き合って下さい」


と言ってしまい、本当にまた付き合うことになってしまった。


(私はバカだ)


 ようやく自分の性格のいい加減さに気づいた。


 でも、また藤崎君と付き合える事になって嬉しい自分が確実にいる。


(懲りてない……)


 再び反省。これではダメになってしまう。


「おはよう、律子」


 香が声をかけた。


「お、おはよう、香」


 何故かドキッとする。


 律子の勘では、藤崎君の本命は香。


 確かに彼女は美人で仕事もできて、上司の信頼も厚いから、律子とは比較にならない。


 対する真弓は、フェロモン出し捲りで、大人の女性だ。


 昔、幼児体型と揶揄された事もある律子とは違う。


 では、何故藤崎君の本命は香なのかと言うと……。


 根拠はない。只何となくなのだ。


 遊ぶなら、お色気ムンムンの真弓だろう。


 しかし、上昇志向が強い藤崎君は、結婚相手には、多分香を選ぶはず。


 そんな勝手な思い込みから、律子は真弓の力になってあげようと思ったのだ。


「どうしたの、律子?」


 しばらくボンヤリしていたので、香がそれに気づいた。


「ああ、ごめん。考え事してた」


 律子は作り笑いをして応じた。香は訝しそうな目で、


「また何かあったの、彼と?」


「へ?」


 ギクッとする律子。


「別れた彼とヨリを戻せたんでしょ?」


 ああ、そんな事話したっけ。


「別に何でもないよ。ちょっとボンヤリしただけ」


「ならいいんだけど」


 こんな優しい香だから、藤崎君が狙うのも当然だ。


 新入社員の須坂君まで香に気があるという噂だから。


 羨ましい。


 あれ? ふと思う。


 じゃあ、どうして私、また藤崎君と付き合えるようになったの?


 もしかして、私が本命? いや、あり得ない。


 そんな妄想は今すぐシュレッダー行きにしないと。


 視線を感じて顔を上げると、藤崎君が律子を見ていた。


「結婚して下さい」


 思わずそう言いそうになる律子だった。

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