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プロローグ 別れるんだから!
律子はOL。
珍しくお付き合いできた彼と、どうしてもやって行けなくなった。
「今日こそちゃんと言おう」
相手を会社の屋上に呼び出した。
イケメンの藤崎君、年下。
彼は二股をかけている。
いや、三つ股?
だって、香でしょ、真弓でしょ……。
みんな同僚じゃん! 酷いわ。酷過ぎる。
来た。
「何、こんなところに呼び出して?」
藤崎君は爽やかな笑顔で言った。
もう、その笑顔には騙されない。
律子は意を決して言った。
「結婚して下さい」