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唯一の春  作者: 兎田
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02平凡な日常<誘拐を知った唯人>

「春麗を見失っただと…?」

低い声で目の前の部下を睨みつける唯人。

春麗の見張り兼護衛を任せていた部下を前にした唯人の殺気は周囲の人間を凍り付かせる。


「どういう状況だったんだ?」

それを見かねた佐原が唯人の代わりに尋ねた。


「あ、えっと…春麗さんが日曜日の夕方に家を出たので後ろを追って行ったんですけど…す、すぐに尾行に気付いたようで巻かれてしまって…」

唯人に怯える部下の声は震えている。


「チッ…!」

舌打ちをする唯人。

春麗は運動神経が良いうえに勘も優れている。もう少し尾行に長けた奴を護衛につけるべきだったか…。


先程から連絡をしても返事がないことも心配を煽る材料になっている。


ピルルルルッ

すると佐原にスマートフォンが鳴った。春麗が帰宅したか確認をしに行った部下からの連絡のようだ。

電話は切った佐原は神妙な面持ちで口を開く。

「中山さんはまだ自宅に帰っておらず連絡もつかないようで、同居されてる叔母様も慌ただしくしているということです。」


「クソッ‼」

バキィッ

唯人の怒り声とともに力任せに椅子の取っ手を握り潰した。

春麗は鳳凰会の人間に拉致されたようだ。唯人をおびき出すための人質にされたためにすぐ危害を加えることはないだろうが…。


「今すぐ鳳凰会に妙な動きがなかったか調べろ。」

唯人の一声で部下たちは一斉に部屋を飛び出した。

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