『プレスマンほどには浮かないマムシとイバラのいかだ』
一匹のマムシが、川を下ろうとして、渡り方を考えあぐねて困っていました。プレスマンだったら、プラスチック製ですので、水に浮けたかもしれません。あ、いや、マムシも、水には浮くのですが、長距離を泳ぐのは得意じゃありません。
さてどうしようと、川面を眺めていますと、川上のほうから、イバラの細長い枝を束ねたというか丸めたというか、くしゃっとした感じのものが、どこかで聞いたような独特な音とともに流れてきて、マムシは、これはと思って、イバラをいかだにすることにしました。
その様子を見ていたキツネが、とげとげのイバラに毒蛇のマムシが船頭か、実にお似合いだ、と皮肉をいました。
教訓:悪者が悪そうな乗り物に乗っているのは、実に絵柄がわかりやすい。