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安全地帯

作者: GONJI

ある都市の多くの車が走行する幅の広い道路にそれは存在した

その道に描かれた長い横断歩道のちょうど真ん中の位置だ

道路より一段高い島状になっている

名付けて安全地帯

広い青字に白いV字が描かれた標識で表示される

一回の信号で渡りきれない時にこの安全地帯の上で次に信号が変わるまで待機する

ご年配の方で歩くのが遅い方などが長い横断歩道を歩いている時は傍で見ていてヒヤヒヤする

かえって安全地帯がないぐらいの距離のほうが危険だとも感じる

車両は侵入していけないらしいのでこの安全地帯まで行けば安全であるとのこと

車両より優位な状態なのでまさに標識のようにVサインの場所なのだろう


さて、人間関係などはこの安全地帯がなければ接触事故ばかりおこりそうな世の中だ

人間だから仕方がないですんだら幸運だと思わないといけない

そしてその後の心の中には安全地帯が増える

最初からその場所が有ったわけではない

生きていくうちに経験から安全地帯を作っていっている

此処から先は立入禁止なのでこれ以上近づくんじゃないよ?という場所


それが増えるのは


失恋してしまった

喧嘩に負けてしまった

食あたりしてしまった

酒で悪酔いしてしまった

価格表示のない寿司屋に入ってしまった

コインパーキングの料金システムを確認しないで駐車してしまった

見たことのないメニューの食べ物を注文してしまった


共通しているのは「しまった」ということ

安全地帯は「しまった」からどんどん増えていくようだ


時間は止まらないし戻らないので未来に進むのみで過去は変えられない

安全地帯がしまらずにいつもVサインでありますようにと人は願って生きていく


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