表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
CUBE  作者: 兼城角
1/2

適正のない二人

西暦2020年4月x日

とある小学校の入学式


「驚くべきことだが、君には適正がないみたいだ。」

「え?」

ある物体の適正検査を担当する教員からの一言で入学したばかりの少年は言葉を失った。


少年の名は垪和(はが 大和(やまと

少年の手には四角い物体が握られていた。

物体の名称は「キューブ」

この世界のある場所に、雲をも越える高さはある巨大な樹「母なる世界樹(マザーツリー」が存在している。その樹「母なる世界樹(マザーツリー」に実る物体こそが[母からの贈り(キューブ」である。

キューブには様々な力が備わっており、この世界の住人はその力を使い生活している。

例えば、この世界での生活に必要な電気、ガス、水道設備を動かすためにキューブに込められた力を使用する。キューブの解放には使用者に備わっている匣力(マナ)が必要になる。

キューブはこの世界にとってはなくてはならない資源なのだ。

キューブはこの世界で暮らす者にとって、なくてはならない存在であり誰にでも使えるものである。いや、だったのだ。


少年の手に握られたキューブには風の力が備わっており、自らの意思で匣力を込めるだけでキューブは飛散し小さな旋風が発生するはずだった。

6歳の少年は小学校入学式と同時にこの世界の理からはずれた存在となった。


「キューブを使えないやつ他にもいたんだ」

呆然と立ち尽くす少年を遠くから見つめる少年がいた。


名を三上(みかみ) (こう)


この少年もキューブを解放できず適正なしと言い渡されていた。


二人の適正無しの少年。

彼らの人生は、ここから狂い始めた。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ