悪役令嬢は悪役令嬢に婚約者を奪われました。
【あらすじ、候爵→侯爵】「エミリー様は、王太子妃になられる方ですよ!」
「ごめん、でも僕はエミリーが好きだ!だから君とは結婚出来ない!」
「そんなの認められませんわ!」
「いい加減に諦めなさいな、ラウルは私の事が小さい頃から好きだと言っているのよ?貴女が入り込む場所など元々無かったのよ」
ラウル殿下の腕に胸を押しつけ勝ち誇った顔を向けてきたのは、この国の王太子妃になる予定のエミリー・コーナー公爵令嬢で現側妃(大臣の娘)の姪で、ラウル殿下の従妹に当たる方、そして王太子の婚約者で王太子妃になる事が決定している。
「ラウル様、私との婚約を破棄した所で絶対にエミリー様とは結ばれませんわ!」
「そんな事無いわ。ラウルはシュベルト殿下の異母弟で第二王子なのだから、シュベルト殿下と一緒に私の夫になれば良いのよ」
「なっ!王太子妃が第二王子を愛人に持つと言われるのですか?」
「愛人では無いわ!正妻よ王子達の唯一の妃になるの!」
「私は嫌だよ?妻を弟と共有するなんて…そもそもこの国は 、一夫一妻と決まってる。」
「「シュベルト殿下!「兄上!」」
「シュベルト殿下…」
「公爵家の義弟と執事に幼い頃に拾ったという魔導師…か。君は誰の子供を産むつもりだ?
王子妃…未来の王妃が愛人の子を王位につける気かい?」
「そんな、ちゃんとシュベルト殿下の子を…。」
「でも、君は五人のただ一人の妻になりたいんだろう?私は自分の子だと信じられないから…ラウルにエミリーはあげるよ。」
「兄上!よろしいのですか?」
「私はエミリーと婚約破棄をする。君達四人でエミリーを共有すればいい」
「殿下、私は殿下を一番愛してますわ!」
「ありがとう、エミリー。だけどね、王位を次ぐ私としては私だけを見てくれる妃でないとね、王族を侍らし複数の夫を持つ王太子妃なんて、国の恥じだ。連れて歩きたくない。何より私が嫌だ。」
「シュベルト殿下…あの。」
「アリア・ラグーナ候爵令嬢、弟と元婚約者がすまなかったね。君と弟との婚約は白紙に戻す事と議会で決まった。後日ラグーナ候爵家へ使者をだすのでそれまでは学院に行かず、家で大人しく休んで欲しい。」
「はい、畏まりました。」
「私の部下が屋敷までエスコートするので、ゆっくり休むといい。私はまだ、この二人に話があるのでここで失礼するよ」
後日、ラグーナ候爵家にシュベルト殿下自らお越しになり、私とラウル殿下の婚約は白紙になったと正式な書類を持って来て下さいましたが…。
「私と、シュベルト殿下が婚約ですか?」
「ああ」
私の問いに、シュベルト殿下は答え…。
「アリア嬢には迷惑をかけてばかりで申し訳ないが、第二王子の婚約者として教育された貴女しか私の妻になる人はいない。」
「殿下…わかりましたわ。お受けいたします。」
シュベルト殿下が新しい婚約を結んだとしても、もうすぐ成人する殿下にはきっちり教育されたパートナーが必要ですからね一から教育するより、基礎ができる者が婚約者に収まった方が効率がいいですよね。
シュベルト王は弟と元婚約者が駆け落ちしてしまい。ショックを受け落ち込んでいた所。弟の友人である候爵令嬢アリア・ラグーナ令嬢と結ばれ共に支え愛し合ったとされる文献が幾つか見つかっている。