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(作品削り中)  作者: みかづき椛
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三十一

 潮・ライノ・サギフエの三人はバトル大会の泊まった部屋にあるテレビに映るニュースを観ていた。その内容はサンゴ町の町長が殺されたというニュースだった。


「え……お父様が……!?」


「おい! ここってサギフエの家だよな!」


 潮はテレビに映っているサギフエの家を指差してそう言った。


「サギフエと住んでいたよここ……」


 ライノの表情はショックを受けている印象だった。


「そんな……そんなの信じられない!!」


 そうサギフエは叫ぶと部屋を出た。


「サギフエ!! 待て!!」


 潮とライノはサギフエの後を追った。



 チームサギフエの三人はサギフエが住む家の近くに行くと、何十人もの魔法警察の人が現場を調べていた。


「本当に……事件が起こったのか……!?」


「ここから先は立ち入り禁止です!」


 潮は魔法警察の一人に家に戻ることを止められた。


「ちょっとあなた通しなさい!」


「駄目です! あと犯人がまだ潜んでいる可能性がありますんでこの辺りは危険です!」


「サギフエちゃん!! 大丈夫か!!」


 その場に爽と颯とムベンガの三人が現れた。


「サギフエ!!」


 サギフエを呼ぶバケダラの声が響いた。海・バケダラ・凪の三人もその場に現れた。


「あんた達! バトル大会はどうしたの!?」


「そりゃあニュース見たら抜け出すよ!」


「サギフエ……!? あなたは町長の娘でしたか……!」


 魔法警察の一人は町長の娘のサギフエを見てそう言った。


「えぇ……そうよ」


「取り敢えず町長の娘を保護します!」


 サギフエ達九人は数人の魔法警察に囲まれた。


「そうか……!! なら……一緒に署まで来てもらおうか」


「逮捕されるのか!? 我達は何も悪いことしてないぞ!」


「逮捕されることは無いと思うが……僕達はさっきまでバトル大会の会場内にいたわけだし……大丈夫だとは思うけど……」


「さぁ! ついて来なさい!」



 潮達九人はサンゴ町の魔法警察の署まで連れて行かれ、詳しく何をしていたかを魔法警察の方達に聞かれた。


 そしてそれから数時間後に夜になり、海達九人は残されていた犯人の足跡とは違う者と判断された。サギフエを除く八人は魔法警察署のロビーで話していた。


「くそーー!! 犯人ぶっ殺してーー!!」


「爽……叫ばないでもらえる……? しかも殺害予告……」


 凪は爽にそう注意した。


「執事のオイカワさん……大丈夫だろうか……!」


「そうだよ! 執事ちゃんとか心配だ!」


「オイカワさん先輩忍者だから簡単にやられないと思うけど……」


「い……いいえ……私は無様にも簡単にやられてしまったんですよ……」


 海達八人の背後からそう言うオイカワがの声がした。八人は振り返ると、オイカワは全身に包帯で巻かれていた。


「うわっ! オ……オイカワさん!! さすが先輩……!! 気配を消すなぁ……」


「いやいや……そんなことより酷い怪我だけど……」


「私はこの有り様ですが……サギフエ様にどうしてもお伝えしなければならないことが……」


 オイカワはフラフラと歩きながら建物内の奥に歩いていった。


「っておい待てよ! 他の執事ちゃんは!!」


 潮達八人はオイカワの後を追った。


「オイカワさん!! どうしたんですか!? いったい誰から受けた傷なんですか!?」


 颯はオイカワにそう聞いたが、オイカワは首を横に振った。


「もしかしたら犯人が誰か分かってるんじゃないですか!?」


 バケダラはオイカワにそう聞いた。


「それは……」


「知ってるのか!? 知ってるなら話せ!!」


 潮はオイカワに強い口調でそう怒鳴った。


「言えません……」


「確かに私達はサギフエの友達だ! だが話すことも駄目なんですか!?」


 オイカワは無言で首を縦に振った。


「……馬鹿な俺でも健闘がつく。三剣聖の一人と言われたピラニアを斬れたのは同じ三剣聖しかいない」


 海はそう主張した。


「余計な詮索は止めて下さい……サギフエ様の友達を……巻き込ませるわけには……」


「おい! 執事! 情報一つ言うことも出来ないのか!?」


「なりません……」


 潮がオイカワにそう怒鳴った瞬間、その場に別の忍者の格好をする二名が現れた。


「べっ……別の忍者が……!!」


「ピラニア死亡により、里に戻れとのことです。それだけ伝えに来ました」


「そ……そうですか……」


「おい! 酷いではないか! なんだか知らんが主が死んだらすぐ戻れって!」


 潮はその場に現れた忍者達に向けてそう言った。


「これ以上いる意味ないので。逆らったら始末します」


「いやちょ……!!」


 爽はその場に現れた忍者に何かを言おうとした瞬間、オイカワはその場に現れた忍者に刀で峰打ちをした。


「な……何故……」


「え? 何が起こったのだ!?」


「オイカワさんやった!?」


(オイカワさんやるね……)


「相手は連絡係だったので……弱い忍者です」


(所詮連絡係か……サギフエの執事は謙遜してるが今の速さを見てオイカワさん自身相当強いのは確か……)


 オイカワを見ながら海はそう思った。


「もしかして……話す気になったのか?」


「いいえ……とにかく君達はサギフエ様の友達……これ以上は語りません」


 オイカワはそう言ってその場から消えた。


「ちょ……! サギフエちゃんの執事!! 急に冷たくなったし!」


「バケダラ、この世界の忍者ってなにするんだ?」


 潮はバケダラにそう聞いた。


「主に誰かの護衛……誰かにこっそりつけるボディーガードと探偵みたいなことな〜……?」


「何故オイカワはそこまでサギフエを守りたがるのか……」


「ってかそもそもオイカワって……いつからサギフエちゃんの執事やってたんだ……」


「爽! いくら考えても分からんぞ! 調査しようにもサギフエの家には入れないしサギフエもいないしオイカワは消えたし……」


「とにかく! サギフエを待とう!」


 颯はそう主張した。


「……私がどうかした?」


 その場にそう言うサギフエの声が響いた、潮達八人はサギフエの声がした方を見た。サギフエと五人の魔法警察が歩いていた。


「サギフエちゃん!!」


「……あなた達、実は私ここに保護されることになったの」


「サギフエ! 狙われているのか!?」


「えぇ……だからここに引きこもる前に友達に会っておきたくて」


 そう言ったサギフエは涙目だった。


「サギフエちゃん……」


「私の友達のあなた達も危ないかもしれない……だから今すぐこの町から出なさい……」


「それではこれで」


 魔法警察の一人はそう言うと、サギフエと五人の魔法警察は建物内の奥に消えた。


「サギフエ……泣きそうなのこらえてたね……」


 悲しい表情のバケダラはそう言った。


(サギフエの……泣きたいのを我慢している顔が辛すぎてオイカワさんのことを聞くの忘れてたな……一回会ったのだろうか……)


 凪はそう思った。


「……これからどうする! みんな!」


 颯は周りにそう尋ねると潮は口を開いた。


「そう言えばチーム海はバトル大会いいんだな」


「うん……サギフエが心配だから……」


「バトル大会サードステージ開始は朝からだったが……もう夜か……」


 爽は真っ暗な空を見てそう言った。


「……俺はサギフエちゃんのお父様を殺した奴を倒そうと思う」


「おい! 爽には無理だろう! あとそもそも犯人は誰なんだ!」


「伝説の暗殺者のシーラカンスは可能かもしれないけど……違う気がする」


 そうバケダラは主張した。


「じゃあ海が言った犯人候補の三剣聖ってサギフエのお父さんと誰と誰なんだ?」


「さぁ?」


「バケダラが知らないならムベンガはどうだ!?」


「……私も三剣聖の話は興味なかったので分かりません」


(本当は……情報を知ってるけど喋らないでおこう……)


「サギフエに効いたら分かるかもしれないけど……今は止めておいた方が良いね……」


「じゃあまず三剣聖を調べるか!」


「爽……どうやって調べるんだ?」


「聞き込むんだよ!」


「……仮に正体判明したとしてもここにいる者全員倒せないだろ!」


 潮はそう主張すると、ムベンガは潮を睨んだ。


「颯なら倒せますよ……」


「そ……そうか……」


「そう言えば……サギフエちゃんのお父様ってどんな人だったっけ……」


「……誰も見てない気がするな。ライノは見たか?」


「見てないかも」


「町長だから忙しくて会えなかったのかな……」


「実は今日……サギフエの誕生日だったのだ」


「まじかよ……!!」


「なぜ誕生日のサギフエがこんな辛い目に合わなければならない!!」


「今日誕生日か……やっぱり外に出るか」


 爽はそう言うと外に出ようと立ち上がって出入口に向かって歩き始めた。


「俺……今日中に犯人捕まえる」


 爽はそう宣言した。


「やはり馬鹿だな爽は! さすがに今日中は無理だろ!」


「え……危ないよ爽! 犯人は最強レジェンドで三剣聖の人を殺めたんだよ!! 危険過ぎる!!」


「そんなの上等!!」


 爽はそう言って外に出た。


「我も行くぞ!!」


 そう言って潮は歩き始めた。


「私も行くぞ! 犯人に会うんだな!」


 潮達九人は外に出た。


「ちょっと……僕達は目立っちゃ駄目なんじゃないの?」


「しるか! お世話になったサギフエちゃんを泣かせた罪……放って置くわけにも行かねぇだろ! 俺は大声で叫びながら喧嘩を売って犯人を呼ぶぞ!」


「それ……サンゴ町の人に迷惑だから……」


「じゃあ凪! お前は戻れ! 俺一人で行く!」


「待て爽! 私も行くぞ!」


「颯が行くなら私も行きます」


「じゃあ私も……!」


「バケダラちゃん……ムベンガちゃんも行かなくていいんだぞ!」


「颯いる所私有りなので、理解の程を宜しくお願いします」


「僕もサギフエにお世話になりっぱなしだからもちろん行くよ」


「もちろん我もだ!」


「俺も行く」


(……結局また全員で行くパターンか)


 凪はそう思って潮達と共に歩き始めた。


「結局凪も行くのだな」


「……あぁそうだよ」


「凪キレんなって」


「別に」


「よし! じゃあ行くか! 恐らく犯人はまだ町にいるはずだ!」


(何を根拠に言っているんだ……)



 数分後、会話しながら先頭を後ろ歩きをしている爽は曲がり角に曲がる何かにぶつかって弾かれて転んだ。


「あいたっ」


「おい! 人いるぞ! って言う間もなく」


「すみません……!!」


 爽はぶつかった人に向かって謝った。爽にぶつかられた人は巨漢で髪の長さがショートの赤髪の人だった。


「うす」


「ごめんなさい! 友達が!」


 颯は爽にぶつかられた巨漢の橙髪の男に頭下げた。


(うぅ爽……あなたのせいで颯が無駄に頭を下げることに……これは後で土下座ですね)


「うす。君達がピラニアの娘のお友達すか?」


「え?」


「どうも。君達を保護しに来ましたピラニアさんの知り合いのツチフキっす」


「保護ですか!?」


「髪が橙ってことはヒトデの民ですか?」


 バケダラは巨漢の男にそう聞いた。


「そす」


(ヒトデの民って……魔力と握力が長く持つ種族か……)


 潮はツチフキの頭を見てそう思った。


「覚えてる? 紅蓮魔力が強い種族のことで、髪が橙色なのが特徴だよ!」


「そおっす。ヒトデの民っす。魔力強いっす」


(魔力を込めなくてもかなりの魔力を感じます……本当にヒトデの民のようですね……)


 ムベンガはツチフキを見ながらそう思った。


「あの……俺達別に大丈夫かな〜って」


「外は危険っすよ!! ピラニアさんを斬った犯人がいるかもそれないっすから!!」


「まぁそうなんすけど……」


(爽……すが侵食し始めてる……)


 凪とバケダラは爽を見てそう思った。


「もしかして……犯人を討とうとしてるっすか!?」


「え……はい」


「良ければうすも手伝うっすよ! 犯人の居場所も予想してたっすんで!!」


「えぇ!?」



 潮達八人はツチフキと一緒に行動をし始め、ツチフキを先頭に歩いていた。


「あのー……犯人の居場所に心当たりとかあるんですか?」


 バケダラはツチフキにそう聞いた。


「ついてくれば分かるっす」


「ですよね……」


 数十分後、ツチフキは人気のない所で止まった。


「ここっすか?」


 爽はツチフキにそう聞いた。


「爽、口調移ってるぞ」


「……爽、拳に魔力を込めておけ」


 海は爽に小さい声でそう耳打ちした。


「すみません! ピラニアさんを斬った犯人のことをいつ知ったのですか!?」


 バケダラはツチフキに向かってそう質問した。


「……しらねっすね」


 ツチフキはそう返事をすると、海達八人を閉じ込める様に四方に橙色の土の壁を魔法で出した。


「何をするんですか!?」


 颯は大声でツチフキにそう聞いた瞬間、ツチフキは四つの壁の上に付けて蓋をする様に橙色の土を覆わせた。


「君ら……安全な魔法警察の署から離れたら危ないじゃないっすか」


「まさか……てめぇがサギフエちゃんのお父様を斬った犯人!?」


「それは……質問に答えたら教えてあげるっすよ」


「質問って……なんだよ……」


「本物のピラニアはどこっすか」

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