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60話 気になること

 反省会を活かし、再び迷宮攻略に勤しむ……というのもありだったが、今日は活動はおやすみ。

 全員が別行動だ。

 フィデリアとレイチェルはギルドに、アルはというと――


(ご主人、またここですか?)


「うん。少し気になることがあってね」


 昨日攻略した迷宮に来ていた。

 既にマッピングもしてあり、足取りは軽い。

 八本の悪魔の手を生やしながら、散歩でもするかのように歩いていく。


(気になることってなんですか?)


 ソフィアは尋ねる。

 この迷宮にはめぼしい物はないだろうし、高額査定されるような素材となる魔物もいない。

 アルが何を求めて再びこの迷宮に足を運んだのか、分かりかねていた。


「何となくだけど隠し通路みたいなのがどこかにあると思うんだ」


 反響によって迷宮内部の様子は分かっている。

 だが実際にマッピングしてみて違和感を感じたアルは、単独でそれを確かめに来たのだ。


(皆さんに相談すれば良かったじゃないですか。言えばきっとお二人も来てくれましたよ?)


「だろうね。でも二人は昨日頑張って疲れているだろうし、今日はお休みって言っちゃったから」


(まあ、ご主人だけの方が都合のいいこともありますよね)


「そうだね。今回は怪しそうな所をチェックしながら進んでいこう」


(はい!)


 アル自身も周りに注意し、見落としが内容に慎重に観察しているが、ソフィアの協力があればその精度はぐんと跳ね上がる。


 そして魔物を倒しながらマッピングしてきた道を歩き回るうちに、それはようやく見つかった。


「ここがそうなのかな?」


(ですかねー? 初めに通った時はこんなことなってなかったと思うんですが……)


 そこは床の色が変わり、ひび割れの様な亀裂が入っていた。

 壁や床、天井ですら細かく見てきたため、一度通ったはずのこの道を見逃すはずもない。


 ということはどこかにトリガーがあり、気付かないうちに発動させた可能性がある。


「ソフィアは何が原因だと思う?」


(これが他の迷宮に見られるようなトラップと同一の仕掛けであるとするならば、決まった道順を通った時に起動する仕掛けとかでしょうか? 何しろ不規則にあちこち歩き回りましたからね。 何が正しいかは分かりません)


 仮に何かがトリガーだとしても、それが何なのかは分からない。

 それが意味することは――


「じゃあこれがいつまでこの状態かどうかも分かったもんじゃないって事か」


(まあ、よくあるのは時限式ですよね。このまま閉じちゃったら次にいつ行けるか分からないですね)


「やっぱりかー」


 一度引き返して戻ってきた時にせっかく見つけた入口が閉じているなんて事もあるだろう。

 この隠し通路の開き方が定かでない以上、ここは進むしかない。



「こんなことになるならもう少し準備してくればよかったな」


(ご主人なら問題ないですよ。私がついてます)


「はは、心強いよ」


 元より引くつもりはない。

 隠し通路なんて男心くすぐるものを見つけておいて、むざむざ引き返せるほどアルも大人ではなかったということだ。


「壊せ! 悪魔の手(イーヴィル・ハンド)!」


 湧き上がる好奇心に従って、こじ開ける。

 未知への冒険、更なる探求への道が、今開かれた。

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