表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/69

1話 プロローグ

祝!異端のユニークメイカー書籍化決定しました!

書籍化に合わせて改題を行い、現在は

二度追放された魔術師は魔術創造〈ユニークメイカー〉で最強に

となっております!

MFブックス様より4月25日発売予定です!


追記 各サイトでの予約が始まっております。よろしければ書籍版ユニークメイカーも応援よろしくお願いしますm(*_ _)m


追記

4月25日、無事発売しました。

公式サイトにて試し読みが出来ますので、よろしければお試しで読んでみてください^^*


追記

11月25日に2巻が発売しました。

「君とはここでお別れだ」


 突然の事だった。

 いつも通り依頼を受注し、いつも通りに迷宮に潜り、目当てのモノを手に入れさて帰ろうとした時だった。


「ちょ、ちょっと待ってくれ! 僕が一体何をしたと言うんだ」


 迷宮の最奥で突然そのようなことを言われた少年、アルは当然異議を唱えた。


「分からないか? 何もしてないのが問題なんだよ」


 パーティメンバーから侮蔑の視線を浴びながら思考するが残念ながら思い当たる節はあった。


 アルは戦闘向きではなかった。生まれながらにして莫大な魔力という才能を持ち合わせていたアルだが、魔術を使うことは出来なかった。


 どれだけ練習しても基本魔術である生活魔術すら使えない。無属性も駄目。火や水のような属性魔術なんて論外だった。

 将来立派な魔術師になる事が夢だったアルは酷く荒れた時期もあった。だがそれだけが道ではないと気付き剣の練習に励んだ。


 だが、それも駄目だった。アルは全くと言っていいほど剣を扱うことが出来なかった。他の武器ならばと槍、弓、斧と様々な分野に挑戦してみたがどれも差異はなく、とてもじゃないが実用レベルには満たなかった。


「それはすまないと思っている。けれど戦闘以外で皆の役に立てるように頑張ってきたつもりだ」


 アルは自身が全くの役立たずではないことを主張する。確かに戦闘面では役に立たなかったがアルは自身を拾ってくれたこのパーティには感謝していた。そのため彼等のサポートには人一倍気を使い、快適な冒険が出来るように努力したつもりだった。


 だが、そのアルの主張にパーティリーダーのデリックはこう答える。


「馬鹿か。君がやっていたことなんて荷物持ちや買い出し、素材の剥ぎ取り。誰にでも出来ることだ」


「そうそう。あんたがやってたことなんてデリックも私も、もちろんミーナやガイルでも出来る簡単な事じゃない。そんなので頑張ったとか威張り散らすなんてみっともない」


 パーティの魔法担当であるセリアがニヤニヤした顔でデリックに同調する。それにガイルとミーナもうんうんとうなづいている。


「それに俺達もそろそろAランクパーティに上り詰めたいと思っている。そのためにはお前のような役立たずは要らないんだよ」


 アルはデリックに殴り掛かりそうになるのをぐっと堪える。デリックと戦闘になっても勝ち目はないし、何よりデリック達の言い分も尤もだと思ってしまった。


「デリック達の言い分は分かった。確かにAランクまで行くのなら僕のような足でまといは要らないだろう。だがどうしてここでそんなことを言う」


 アルは疑問に思っていた。自身をパーティから追い出したいなら迷宮を出てからでも遅くはない。この迷宮の最奥で解雇を告げたのにはどのような意図があるのか……それを探ろうとしたところでハッとする。


「まっ、まさか!?」


「そうだ。お前はここに置いていく。ここから出られずに野垂れ死ぬのがお似合いだ」


 デリックはアルにそう告げるとセリアやガイルを引き連れて迷宮を後にしようとする。


 もしここに置いていかれれば戦う力のないアルはよっぽど運がない限り出られない。

 デリック達は現在Bランクパーティであり実力もそこそこなものだった。


 そのためここに湧く魔物も強力だ。

 アルが逆立ちしても敵わない魔物がうじゃうじゃいる。

 そんな所に置き去りにされるのは事実上、死の宣告だった。


「待ってくれ! せめて外に出るまで一緒に行動してくれ!」


 アルは恥も外聞も気にせずデリック達に齧り付く。

 だがデリック達は止まらないしアルに止める力もなかった。


「しつこい」


 デリックが剣を抜きアルに向かって振り抜く。

 剣の腹がアルの横っ腹に吸い込まれて嫌な音がする。


 あばら骨が折れた音だった。

 吹き飛ばされて倒れ込んだアルは痛みで声を出すことも出来ない。


「安心しろ。ギルドには不慮の事故で死んだって報告しといてやるから」


 そう笑いとばすデリックの声を聞いたところでアルは意識を失った。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ